世界宣教におけるユダヤ人伝道の意義は何か。9月の第4回ローザンヌ世界宣教会議に、ローザンヌ・ユダヤ人伝道協議会(LCJE)を代表して参加したジョセフ・スタインバーグ氏(国際ユダヤ人伝道団代表)が来日し、10月23、25日、大阪、東京で講演した。
東京は、千代田区のお茶の水クリスチャン・センターが会場。スタインバーグ氏は、米国のユダヤ人家庭に生まれ、14歳でキリスト教信仰を持ち、現在は英国で活動する。
英国の福音派の中東伝道を考える集会で議論が紛糾したエピソードを話した。「ユダヤ人伝道に対し強い反対意見があった。『ユダヤ人のための救いの契約はすでにあり、他の民族には別の契約があるのだ。ユダヤ人に伝道することは、ホロコーストで苦しんだ彼らをさらに傷つけることになる』と。彼らはユダヤ人を愛しすぎるあまり、福音を伝えない。だがローマ10章1節はユダヤ人への伝道を強調する。エレミヤ31章31節でも新しい契約を言う。律法そのものには救いはなく、救い主が必要だ。ユダヤ人伝道は教会の優先課題であり、他の民族も同時に伝道する必要がある」

「ユダヤ人にも救いが必要」と語るスタインバーグ氏(左)

「イエスの弟子たちも、当初は異邦人に対する偏見があったが、今は教会がユダヤ人に偏見を持っている。教会は、2千年間ユダヤ人を反キリストとして迫害し続けた。『信じたことのない方を、どのように…』というローマ10章14、15節は現在、異邦人伝道のために引用されているが、元々はユダヤ人伝道のことを言っていた」
「残念ながら、ユダヤ人にもアラブ人に対しても伝道するクリスチャンは少ない。昨年からの戦争で、ユダヤ人嫌いになる理由が増えた。ムスリムを憎むクリスチャンも増えている。ヨーロッパでは、ユダヤ人であるだけで攻撃を受ける、、、、、

2024年11月17日号 02面掲載記事)