「ロシア編入住民投票強行の可能性があります」ウクライナ船越宣教師報告 2022年9月22日

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いつも、尊いお祈りに心から感謝します。
昨日はウクライナでの戦況に大きな変化をもたらす幾つかの重大なニュースがありました。
まず、ウクライナ東南部の4つの州(ルハンスク州、ドネツク州、ザポリージャ州、ヘルソン州)で親ロシア武装勢力が(ロシア軍による軍事占領のもと)住民にロシア編入の是非を問う“住民投票”を9月23日から強行する可能性に関するニュースがありました。(ただし、ルハンスク州以外の3つの州はその全州の制圧ができていません。さらにルハンスク州でさえも9月のウクライナ軍による反転攻勢でその一部が取り返されています。そんな中での住民投票など本来あり得ない暴挙です。)
さらに、プーチン大統領が国民向けのテレビ演説を行い、その中で、30万人規模の動員令(“部分的動員令”とされていますが)をかけることを発表しました。これは明らかに現在のウクライナでの戦争の性質がいわゆる“特殊軍事作戦”から本格的な戦争へと変容することをプーチン自身が認めた重大な発言です。ただ、この動員令によってロシア国内にも大きな動揺が起こることは必至であり、プーチンが本人のパラノイア(欧米がロシアを追い詰め、滅ぼそうとしているという強迫観念)をどこまでロシア国民に共有させることができるかが今後注目されます。
さらに、プーチンの発言の中には「ウクライナ東南部の4州がロシアの一部として併合されれば、それを奪還しようとするウクライナの軍事的ないかなる試みもロシア本土に対する攻撃とみなされ、その場合はロシア連邦の一体性を維持するために戦術核兵器の使用も厭わない」ということを意味する発言もありました。
しかし、これはまさにプーチンがハリコフ方面などでのロシア軍の劣勢に強い焦りを感じていることを示しているものだと思われます。また、もし上記の4州がロシアに併合されれば、その4州の男性住民が真っ先に“動員令”によって徴兵され、最前線に派兵されることになるのは先例からも明らかです。
この誰の益にもならない戦争の拡大が止まり、早く収束に向けて事態が動き始めるように、主の御介入があることを切に祈ります。ウクライナでの流血が終わり、平和が早く戻るように、ぜひ、続けてお祈りください。
船越真人・美貴