最終日、聖餐式では、各国語での連祷があった。右端が岩上氏

 

メガチャーチ、世代、国家、迫害、超自然など再考

 

交流、情報共有を 活性化

 

アジア福音同盟(AEA)、アジア・ローザンヌ委員会(ALC)、アジア神学協議会(ATA)が共催した宣教会議「アジア2022」が10月にタイ・バンコク近郊で開催された(10月30日号で一部既報)。

「教会と宣教の再考:今日の神のアジェンダとは」という全体テーマのもと、5日間の本会議では、東アジアから西アジアまでの多様な教会のために祈るとともに、ヨハネ15 章9~17節を中心とした4回の聖書講解、様々なテーマの七つの主題講演、幅広いテーマの分科会があった。参加者は期間中、聖書講解と主題講演で二つのグループに属して、各講演後にディスカッションをした。

数か月前から会議用アプリが準備され、交通や宿泊などの基本的なアナウンスのほか、資料の共有、スケジュール管理や参加者相互のコンタクトが可能だった。参加者は所属や関心を記したプロフィールを作成し、それぞれが連絡を取り合った。関心ごとのグループをアプリ上で作成し、食事や空き時間に会合を開くこともできた。そのため本会議の各プログラム終了間近になると、様々な通知がアプリ上に届くという現象が起きていた。

初日の開会式では、タイ福音同盟理事長のマノク・ジャナムーク、世界ローザンヌ運動総裁のマイケル・オー、世界福音同盟の前総主事で現国際大使のエフライム・テンデロ、アジア神学協議会のテレサ・ロコ・ルア、アジア2022代表のデイビッド・ローの各氏があいさつした。宣教の担い手の中心が西洋からそれ以外の地域に移っていること、アジアの教会の急成長、社会の劇的な変化がある一方、まだ福音が届いていない人々がおり、迫害が起きている地域もあると概観が述べられた。アジア2022を通して、リーダーたちの励ましと変化、新たな宣教協力が起こることに期待した。

 

 多様なテーマ

 

全体を通して迫害や社会的な困難がある地域に意識が向けられていた。毎日の聖書講解では、「愛と一致」、「従順と犠牲」、「神との親しさ」、「神の介入」などについて勧められた。主題講演は、①「アジア都市圏でメガチャーチを目指すべきなのか?」、②若い世代と多世代の教会について、③教会と国家について、④迫害下や苦難の教会について、⑤全世代育成について、⑥アジア文化と福音の浸透について、⑦超自然的なものの復権について、再考した。
最終日には、聖餐式が執り行われた。来年23年には、「アジア2023」を18歳から30代を対象にタイで開催することも発表された。

 

「日本宣教再認識」
岩上敬人=日本福 音同盟総主事

 

AEAを代表してアジア2022実行委員の一員として派遣されて、開催準備にあたってきました。コロナ禍により対面での開催は2年延長されましたが、ついに実現し、感無量の思いでした。

アジアという多様でユニークな文化をもつ国々の方々と交わりをもちながら、改めて日本の宣教を見つめる機会を与えられました。どうしても日本からの内向きな視点で宣教を考える傾向にあったことを教えられました。それぞれの国が迫害をはじめ多くの困難と向き合いながら宣教に取り組んでいる姿勢、パンデミックの中にあっても積極的に宣教に取り組む姿勢からたくさんの励ましと恵みを受けました。日本の教会と宣教の現状は厳しいものかもしれませんが、まだまだ明るく、未来に希望をもてることを再確認しました。

 

次回以降、大会内のいくつかのテーマと、参加者からのコメントなどを紹介する。【高橋良知】