アジア2022から 宇賀飛翔さん 柳沢美登里さん 立石充子さん
#NowGenの座談会の様子
アジア福音同盟(AEA)、アジア・ローザンヌ委員会、アジア神学協議会共催の「アジア2022」(7面回顧と展望参照)の概要の続きと、参加者の声を届ける。
時代と文化の多様な課題
2日目昼には、インドのメガチャーチの牧師が、メガチャーチを批判的に検討し、プログラムや設備ではなく、多様な人々のコミュニティーがある大切さ、地域社会で影響力を持つ重要性を述べた。香港からは、都市のライフスタイルや課題に寄り添う「マーケット・プレイス・チャーチ」についての紹介があった。夜は、「#Now Gen」として結集した若い世代が進行。「現世代」である若い世代も含め、多世代が有機的に結びつく教会、そのための信頼関係について語られた。
4日目には、アジアの伝統文化と宣教の課題が論じられた。西岡義行さん(東京聖書学院教授)は、行為と福音の宣言の関係を述べて、「証し」は一方的な伝達ではなく、問いを生み、拡散され、弱さの共有がされると期待した。夜には超自然の再評価など、様々な宣教テーマが議論された。
分科会では、文脈、組織、パートナーシップ、ポストコロナ、IT、中国宣教、アジアの宗教的儀礼、神学教育、世代、クリスチャンによる社会形成、移民・難民、ナショナリズム、教会開拓、聖書への集中、などのテーマが並んだ。このほか、アジアと世界の他地域のパートナーシップというテーマの分科会も用意された。
時代と文化の多様な課題 ワンホープ・ジャパン 宇賀飛翔さん
日本福音同盟(JEA)およびアジア福音同盟で青年委員を務める宇賀飛翔さん(ワンホープ・ジャパン代表)は日本の宣教課題を痛感した。 「アジアにはヒンズー教国、仏教国、イスラム教国に加え、無神論を押し付ける共産国がある中、日本は神道と仏教が共存する中、信教の自由が与えられながら、実質的には無神論的なとても説明が難しい国。多くの国は発展途上国で、経済的に困窮している中でも喜びを持つクリスチャンがいる中、日本は経済的に豊かでありながら、心の虚しさを抱えていることが多いのではないか。
日本では迫害はあるとも、無いとも言えない何とも言えない状況。アジアの中で日本の状況は説明しにくい上、他の国にとっても状況が違い過ぎて分かりにくい国なのではないか、と他の参加者との交流の中で感じました」
また日本の教会の特徴として、「教会の高齢化と教会の縮小と減少」を挙げた。「多くの国では、宣教が進み、教会も信徒が増えているという証しがあった。もちろん、主は生きておられ、日本においても救いの御業をなされているが、日本全体の統計と傾向を見ると非常に厳しい現実が明らか。日本にも教会が成長していた時代はあったが、そこから時代が流れ、教会の成長は終わり、やがて衰退を迎えた。日本という国は、現代社会の問題を多く抱えているため、課題先進国と言われるようになったが、同じように教会においても日本は課題先進国なのではないか。もしそうならば、私たちには日本の教会の衰退の原因を振り返り、自ら悔い改めるだけではなく、アジアの他の国々に警鐘を鳴らす役割があるのではないか。アジアの中で栄えている教会が数十年後、衰退するのではなく、ますます栄えるように、私たちの経験したことと学んだことを伝えていく使命があるのではないかと示されました」
「少数者」だから見える 声なき者の友の輪 柳沢美登里さん
国際NGO「声なき者の友の輪」カタリストの柳沢美登里さんは「21世紀初め、アジアの主の体は海外から神学や財的支援を受けながら多様な宗教社会で広がろうと支流の苦闘をしていたと思う」と回顧、、、、、
一人一人のつながりから 日本ローザンヌ委員会 立石充子さん
日本ローザンヌ委員会(JLC)主事の立石充子さんは、大会を振り返り、「基本に返ることが繰り返し強調されていた」と話す、、、、、
来年7月にアジア学生宣教大会(アジア2023)がタイで、24年9月に第4回ローザンヌ世界宣教会議(ソウル2024)がソウルで開催される。いずれも参加者は推薦招待制だが、問い合わせはJLC:japanlausanne@gmail.com
(2022年12月18・25日号掲載記事)