日本基督教団京都教区の性差別問題特設委員会は28日、京都市の洛南教会を会場に「聖書を読み直す会」を開催した。第177回目のテーマは「教師とは何か」。同志社大学神学研究科に在籍する澤田果歩さんが発題した。

発題者澤田果歩さん

京都教区の性差別問題特設委員会が活動を始めたのは1990年。教団では1988年の総会で性差別問題特別委員会の設置が決定し、それに呼応して京都教区で始められた具体的活動の一つがこの「聖書を読み直す会」である。「教会の性差別問題に取り組むためには、何よりも聖書の読み直しが必要」という考え方から生まれた。

これまで連続講座のテーマとして、「万博問題と性差別の課題」「福音書を読む」「同性愛者とキリスト教」「結婚式式文に使われる聖書」「戦争と聖書」「今、パウロを読む」「いま、聖餐をめぐって」などを扱ってきた。

今回発題した澤田さんは、マタイによる福音書23112節を念頭におきながら自分史、そして生きづらさを抱えた少女たちの居場所づくりの実践について語った。会場に集った10人の参加者はそれぞれの教会の実情や体験を出し合いながら、牧師の権威性・特権性について、教会とは一体何かについて語り合った。(レポート・鳥井新平=日本基督教団近江平安教会牧師)