ジョナサン・オキナガ氏

5月13日、オンラインで開催された「自殺願望と予防ワークショップ」。日本とラテン・アメリカに重点を置く国際宣教団体ミッションズ・コネックスのブライアン・タンゼン氏(日本地区ディレクター)主催による同ワークショップでは、ジョナサン・オキナガ氏、シェリル・ベル氏(両氏ともサウスウエスタン・バプテスト神学校ビブリカル・カウンセリング教授)が講演した。今回はオキナガ氏の講演を抄録する。(5月28日号で一部既報)

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恐怖へのリアクションが重要

ここでは、自殺につながるうつに対する実践的なアドバイスを見てみよう。

⑴明日は新しい一日。今日が大変な日だったから、明日も大変な日になるというわけではない。

⑵思考を支配する否定的なうそを信じないようにする。

⑶SMARTゴールを設定する。▽Specific(具体的な)=明確で分かりやすく、意義のある目標、▽Measurable(測定可能な)=意味ある目標で、モチベーションを高める、▽Achievable(達成可能な)=合意的で達成可能な目標、▽Relevant(関連性のある)=合理的で現実的、機知や結果に基づいた目標、▽Time bound(時間制約のある)=いつまでに実行という期限を設けた目標。

⑷ルーティーンを持つ。

⑸楽しもう! 外に出て、エクササイズしよう(好きなことをするのが助けになる)。

⑹あなたは飲食物を基に造られている。飲酒は控え、糖分、カフェイン、炭酸飲料は制限し、代わりに野菜、低脂肪の肉、健康的な穀物など、バランスの取れた食事を取る。

⑺睡眠不足は私たちの思考に悪い影響を与えるので、睡眠を取る。▽昼寝は極力避けたいが、必要であれば午後2時前に30分以内に制限、▽起床時間を定める、▽カフェイン摂取量を抑える、▽睡眠環境を整える(就寝1時間前にはテレビを含めたブルーライトを目に入れない、ベッドは睡眠のみ使用。遮光カーテンなどを使用し、寝室を暗くする)、▽心配事は書き出し、片付ける、▽起床後すぐ光を浴びる、▽祈り、黙想、リラクゼーション、▽朝早くにエクササイズを行う、▽目覚めと共にベッドを出る。ベッドでくつろがない。(このリストに従い実践して最も役立つと感じたことは、ベッドでスマホやタブレットを使わず、部屋を涼しくし、遮光カーテンを使い暗くし、眠れない時はリビングに行って読書をすること、そしてリストにはないが、加重ブランケットを使用する)

⑻仕える心と感謝の気持ちを持つ。

⑼祈り(私にとっては、祈る力と祈る自由は大きな助けとなっている)。

⑽本を読んで、御言葉に浸る時間を持つことを勧める。

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知恵とは何だろうか? 次の御言葉の通りだ。「主を恐れることは知恵の初め、聖なる方を知ることは悟ることである」(箴言9・10)

恐れを感じることは、本質的に悪いことではない。恐れから目を逸らすために、逃げたり、飲酒をしたり、ドラッグをしたりするのだろうか? 恐れは私たちを主に近づかせるのだろうか? 恐れはすべて相対的で、奥深いものだ。バカなことをしないようにさせる、健全な恐れもある。雨の中、250キロで運転することに恐怖を感じるはず。恐怖に対してのリアクションこそが重要だ。同時に、恐怖は不安な思考を増幅させるだろうか?

ダビデ、エリヤ、ヨナ、ヨブ、エレミヤ…。聖書に登場するこれらの人物の物語は、恐れや不安と闘う人たちの助けとなる聖書の物語だ。
(つづく)