第七回日本伝道会議(JCE7)が9月に開かれる。準備を進めてきた担当者らに現在までを振り返ってもらい、展望を聞く。第2回はプログラム局長の中西雅裕氏(=写真=、ホーリネス・大阪キリスト教会・宝塚泉キリスト教会牧師)。【高橋良知】

 

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「コロナ禍は、従来の災害のように、ある地域だけが影響を受けるのではなく、みなが一律で同じ状況に押し込まれた」と話す。「様々なところで語っているが、神さまが強制的にリセットボタンを押したという実感。それまで何のこともなくしていた交わりや、礼拝ができなくなった。これは神さまが、『止まりなさい』、そして『ものごとの本質は何かを考えなさい』とおっしゃっているのだと思う。その意味で、コロナ禍が収束してきたとしても、『元に戻る』ということではなく、より本質に向かっていくのだと思う。そのタイミングでのJCE7です」

JCE7のテーマは「『おわり』からはじめる『宣教協力』」。それぞれ三つの「おわり」と「はじまり」がある。

「おわり」は、①「今やらなければ後がない状況」、「正念場」としての「おわり」、②「神が計画しておられる教会の完成のビジョン」、「ゴール」としての「おわり」、③開催地域、東海地域に「尾張」があることから、「各自の地域の現状」から出発する「おわり」。

「はじめる」は、①習慣や文化などを聖書から見直し、「終わらせるものを終わらせる」という意味の「はじめる」、②複雑になりつつある社会の変化に目を向け、宣教の働きを新たに「はじめる」、③コロナ禍を神の摂理的な機会と受け止め、日本宣教の転換点となる新たな取り組みを「はじめる」だ。

 

「大会後」につながる広がりへ

 

9月の本大会は、現地での全参加、現地一部の集会のオープン参加、オンライン参加、の三つの形式で開く。「JCE7協力登録団体を通して現地参加を募ったが、それぞれの実情があることは承知しつつ女性2割以上、信徒2割以上、30代以下2割でお願いした。新しい風を吹かせたい」と言う。

本大会は、9月19~22日だが、前後に連休や土日を含む。休日の日にオープン集会を配置し、広く信徒が参加しやすいようにした。本大会前日に、開催地委員会が主導して、「東海フェスティバル」、21日午後に日本にある外国語集会をテーマにした集会、22日午後に、在外日本人集会をテーマにした集会、23日に次世代育成をテーマにした集会、24日は、オンラインで合同礼拝、などが開かれる。

神学生らにボランティアで参加してもらい、横のつながりができることも期待している。「神学生の交流の時間も設ける。学生の間に、他校の学生と知り合っていくと、卒業してから地域で協力しやすいのです」

「準備の段階から、仲間が出来たことが良かった」と振り返る。「個人、家族、教会のことも理解し合った。そのような交わりが、プログラム局、開催地委員会、地区大会にあり、本大会だけではない広がりがある。JCE7が終わっても、つながりはもっと広がってほしい。聖書信仰に立ち、互いの違いを認め合う。競合ではなく協力が今の時代必要。JCE7で話し合ったことをそれぞれの教会で生かしてほしい」と勧める。(つづく)

2023年06月11日号 03面掲載記事)