「兵士たちの大半は、治療の後、再び戦場に赴くことになっています」ウクライナ船越宣教師報告2023年10月27日
ウクライナの船越真人宣教師から現地の情報が10月27日、編集部あて寄せられた。一部編集して掲載する。
◇ ◇ ◇ ◇
いつもウクライナのことを忘れず、祈り支え続けてくださっていることに心から感謝しています。10月24日でロシアによるウクライナへの全面侵攻が始まって20か月めとなりました。侵攻開始当初、数日でキエフが陥落し、ウクライナはロシアの支配下に入ると言われていたときから20か月、こうして私たちが今もオデッサで宣教を続けることができていることを覚えるときに、「実に、私たちは滅び失せなかった。主のあわれみが尽きないからだ。それは朝ごとに新しい。あなたの真実は偉大です。」のみことばが強く心に迫ってきます。お祈りとご支援に心から感謝しています。
10月1日、HOPEオデッサ特別礼拝を行い、230人以上が参加しました。「クリスチャンと戦争」というテーマでメッセージしました。このテーマについては10月4日、11日、18日の水曜集会でも学びました。実際に戦争が進行中のウクライナにおいて戦争とは無関係ではいられない私たちが、戦争にどう向かい合えば良いのか、さまざまな考え方と感情がぶつかり合う中で、できるだけ教会として理解を共有しなければならない、という切実な必要からこの学びを行いました。
15日には「感謝礼拝」を行いました。2021年まで毎年10月に行っていた「感謝礼拝」でしたが、去年はできませんでした。今年は「戦争は継続中だが、ぜひやろう」ということになり、行いました。主のみことばである「すべてのことにおいて感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって神があなたがたに望んでおられることです」をもう一度、深く覚えました。豊かに祝福された礼拝となりました。
引き続き、HOPEニコラエフ、HOPEヘルソンの働きも継続することができています。お祈りとご支援に心から感謝しています。
HOPEソルジャーズでは、病院伝道(アレクサンドラフカ病院)での活動が用いられています。火曜日は、アルチョム兄、レーナ姉、勇貴、真人が訪問し、個人的なカウンセリングを行っています。木曜日は、以上のメンバーに加えて、アントン兄、ターニャ姉、ローラ姉、美貴が加わり、食料をお届けし、励ましと福音をお届けする働きをしています(最近は本当にみんなが待ってくれていることが痛いほど伝わってきます)。
そこにいる兵士たちの大半は「一時的な治療」として入院しており、その後、再び戦場に赴くことになっています。過去に戦場で受けた傷(彼らは脳震とう、PTSDで入院しています)だけではなく、これから戻る戦場でどうなるのかわからない強い恐れと不安と戦いながら、眠れない夜を過ごしています。彼らがみな、無事に帰ってくることができることを心の底から祈らずにはいられません。
22日夕方、オデッサの空をロシアのミサイル・ドローンの攻撃から守っている迎撃隊の一つを教会にお招きして、「励ます会」を行いました。13人の兵士が参加しました。アントン兄が自分自身の証と福音を熱く語りました。そして用意しておいた装備品(救命具)をお渡ししました(みんな本当に感謝してくれました)。
その励ます会のあと深夜に再びロシア軍によるドローン攻撃があり、迎撃音が町中に響き渡りましたが、オデッサをそのような攻撃から守っているあの兵士たちの顔を思い浮かべ、その働きが守られるように祈りました(彼らのうちの数名は、今後、東部の激戦地へ派遣されることになっています)。
その東部ドンバス(特にアウディイウカ周辺)と南部ザポリージャ(トクマク方面)では激戦が続き、苦戦を強いられています。ただ、南部ではウクライナ軍が着実に前進をしています。ウクライナ南部での攻勢が進めば、停戦交渉の開始がより現実的なものになってくるといわれています。ロシアとしてもそうなる前にできるだけ東部(ドンバス地方)を制圧しておきたい思いから、ロシア軍の東部での攻勢が激しくなっており、ロシア軍はかなり非合理的なやり方で膨大な戦死者を出しながら猛攻を続けています。
そんな中、イスラエルを巡るロシアの動きや、ロシアと中国・北朝鮮との接近など、国際秩序が大きく揺れ動く中でウクライナ侵攻20か月めに突入しました。アクサンドラフカ病院の訪問で、現場にいた(そしてこれから現場復帰する)負傷兵たちの話を聞くと、ウクライナ軍側の死傷者数もかなりの数になっているようです(ウクライナ側は死傷者数を公表していません)。本当にこの戦争が1日も早く終結することを心から願わずにはいられません。
11月26日に、戦争で、息子たち、夫たちを失った女性たちを励ます会を計画しています。奉仕するものたちの心が整えられ、用いられ、彼女たちに必要な励ましができるように、ぜひ、祝福をお祈りください。
11月8日、ニコラエフ東部にあるスニゲリョーフカという町に食料配布に行きます。この町は去年の4月から8月にかけて激戦地となっていた場所で、多くの家々が破壊されました。今、人々が戻ってきて町の再生を図っています。祝福をお祈りください。
11月5日、HOPEオデッサ特別礼拝を行います。11月のテーマは「依存症からの解放」です。このテーマは水曜集会(11月8日、15日、22日)でも深めていきます。祝福をお祈りください。
10月29日と30日、勇貴と真人はウクライナ西部ロヴナの教会で行われる宣教カンファレンスで奉仕をします(この教会とは2010年から交わりを深めてきました。真人は29日の日曜礼拝と夕の集会でメッセージ、勇貴は30日のユース集会でメッセージします)。用いられるように、祝福をお祈りください。
ウクライナでも気温がさがり、いよいよ冬の始まりを感じています。そのような中、去年同様にロシア軍はウクライアの電力インフラを破壊することによって一般市民の生活を苦しめる戦法に出ることが予想されています(この攻撃のためにロシア軍は大量のミサイルを備蓄していると言われています)。そんな中にあって、教会が主にある知恵と一致を与えられ、どのような状況にあっても世の光として主にある希望の光を放ち続けることができるように、心から願っています。
尊いお祈りにいつも心から感謝しています。
主の祝福が豊かにありますように、心から祈っています。
船越真人・美貴・勇貴