教会暦と京都の伝統の意外な調和

日本基督教団京都復興教会牧師 深谷与那人

祇園祭に五山の送り火、何百年と続く堂々とした老舗の数々、「京都には二十四の季節があります」というキャッチコピーに、西陣織などの高度な伝統工芸、お茶や踊りの世界のしきたり。どこを見ても歴史の由緒にあふれたこの京都という場所に、憧れと抵抗の葛藤の中で、気がついた事があります。

それは、日本の暦・季節と、教会のカレンダーのちょっと意外なハーモニーです。関東に住んでいる時には、教会暦と日本古来の伝統は、どちらかというと相反するもの、時には敵対関係だと思っていました。けれど、自然の近くに身を置いて、悠久の歴史に敬意を払って向き合うと、そこに静かな調和を感じたのです。夏至のいよいよ緑燃える風薫る季節に迎えるペンテコステ、春の彼岸と重なるイースター、そして寒空に星が瞬く冬至に迎えるクリスマス。そこには、あたたかいメッセージが響き合っていると思いました。初めてこの発見をした時、大きな喜びと感動を覚えました。そして、その体験が、とっつきにくいこと、無関係に思えることも、じっくり腰を据えて向き合うなら、必ず神様の愛に結ばれる、という確信を与えてくれました。

京都という町は、実はとても面白い町です。本能寺のすぐ東に聖フランシスコ・ザビエル大聖堂がそびえ、京都御所の北は同志社のキャンパス、西は聖公会の神学校、そして町中をクリスチャンの創業した会社のタクシーが走り回っています。知れば知るほど、迫害や弾圧に屈しない信仰の粘り強さと、炭火のように燃え続ける恵みの大きさに感動します。歴史と四季折々の文化の賜物は、大都会のスピードやトレンドといった価値とは一味違う次元で、神様の救いを大胆に証言しているのではないでしょうか、、、、、、、

(ふかやよなと・日本基督教団京都復興教会牧師)

2023年12月10日号06面掲載記事)