講演後、共に祈り合う

大阪で始まり、今年で67周年になる超教派の祈りの運動「朝祷会」。その年頭集会の第53回(朝祷会全国連合主催)が1月20日、千葉県市川市の山崎製パン企業年金基金会館で開催された。当日は、全国の各ブロックから約60人の「祷友(メンバー)」が集まった。

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開会礼拝では、高祖敏明氏(カトリック聖イグナチオ教会主任司祭)がマタイ25章14~30節から「タラントンのたとえ」と題して説教。特に1タラントンを預かった3番目の人に注目し、「彼は神様を『蒔かない所から刈り取り、散らさない所からかき集められる厳しい方』(24節、新共同訳)だと思っていた。本当は、神様は心が広い方なのに、怖い方だと。私たちを縛り付けている神様への思い込みから解放されないと、私たちは自由になれない。だが、イエス・キリストはその間違った思い込みから解放してくださる方だ」と語った。

年頭集会では、2023年度活動、会計、朝祷誌編集委員会の報告があり、「日本エキュメニカル協会など諸団体との連携に努め、教会一致祈祷週間のつどいなどに積極的に参加し、朝祷会への参加を呼びかける」、一斉祈祷課題に「朝祷会が若い人たちに継承され、さらに前進できますように」などが盛り込まれた2024年度活動計画が承認された。

また、関東ブロックは「朝祷会は、カルトとは関係のない団体です」を朝祷誌の末尾に記載する案を提出。同連合副会長で市川朝祷会の甲斐征次氏から「カルトとされる団体からの参加希望があり、出席を断るのに苦労した」との経緯説明があった。参加者からは「『カルト』と『異端』は違う。注意書きは異端とすべきでは」、「異端・カルトだからシャットアウトするのでなく、趣旨に賛同できるなら迎え入れていいのでは」などの意見も上がったが、原案のまま承認された。

閉会礼拝では、高橋宏幸氏(日本聖公会東京教区主教)がマタイ2章1~12節から「最大の贈り物」と題して説教。「贈り物として献(ささ)げられた黄金、乳香、没薬の中の乳香は、出産祝いに白い菊の花、お線香をもらうようなもの。イエスは飼い葉桶で生まれた時から十字架の影に覆われていた。『あなたの悲しみ、苦しみをすべて私に注ぎなさい、そのために私の傷(十字架)はある。私はあなたと共にいる』、そんな幻の初めだった」と語った。


【中田 朗】

2024年02月11日号   03面掲載記事)