能登半島地震 全キ災主催第3回情報共有会議 輪島塗り被災工房から貴重品取り出す
能登半島地震被災支援活動に関する、キリスト全国災害ネット世話人会(全キ災)主催の第3回情報共有会議が3月5日、オンラインで開催された。同ネットの加盟団体、現地の超教派救援組織「能登ヘルプ」(能登地震キリスト災害支援会)、及びそれに関わるキリスト教団体が報告した。
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全キ災の北野献慈代表の挨拶の後、支援に携わる8団体が報告した。
最初に救世軍士官の石川一由紀氏が報告。「支援は、石巻クリスチャンセンター(ICC)の中橋スティーブン氏を救世軍の費用で現地に行っていただいたことから始まった。現在、現地ワーカー一人を派遣し、その他、数人派遣させてもらっている。3月6日には、門前中学校と志賀町富来病院で350食の焼き肉丼を提供。給食支援は定期的に組むことを考えている」
「能登の主要産業である漆塗りの蔵が壊滅的な被害を受けており、長年使われてきた道具や漆器類を取り出す作業をしており、救世軍もお手伝いさせていただきたいということで、今、ロンドンの救世軍本部とかけあっているところだ。日本の伝統産業に対する支援について、本部は前向きだ」と語った。
近藤高史氏(ハンガーゼロ総主事)は、「週に2、3人のスタッフを継続して派遣し、金沢独立教会高松伝道所(かほく市高松)の建物を宿舎にし、ハンガーゼロ、TEF(東海福音フェローシップ)、福島、沖縄のチームと宿泊スペースを共有。能登ヘルプ、本郷台キリスト教会、東北応援団LOVEEASTなど他団体の活動の協力と、災害支援団体GEM倉庫の現地視察の協力、支援者からのボランティア受付などを行っている」と報告した。
能登ヘルプ代表の岡田仰氏は、「ボランティア受け入れが始まり、活動も始まっている。輪島塗りの塗師(ぬし)の被災工房から、筆、金箔銀箔(きんぱくぎんぱく)、貝殻など、貴重な物を取り出すプロジェクトが始まっている。塗師からは『これが出て来て、いのちが与えられた』と大変喜ばれている。珠洲市でも美術品の救出作業が行われる予定だ。津波があった珠洲市の海岸線は壊滅状態だが、そこに銭湯があり、そことのつながりができた。仮設トイレのリースやタオルの洗濯をさせてもらっている。ボランティアの受け入れが始まると、コーディネーターやワークリーダーが必要だ。心にかけていただき、人材を送っていただけると幸いだ」と話した。
TEF災害対策委員会メンバーの森山剛氏は、「能登支援チームが中心になって活動している。1月に2回現地視察をし、その報告を含めて1月31日と2月1日に東海地域が連携して祈祷会を開き、報告と祈りの時を持った。2月26日から29日まで、5人による第1回目のTEF能登支援チームを派遣。能登ヘルプ、LOVEEAST、ハンガーゼロのチームと一緒にがれき撤去作業をした。特に崩れたブロック塀を代わりばんこで運び、3トントラックや軽トラックに積んだ。石垣が崩れたお寺にも2軒行き、運べる物を運んできれいにすると、住職ご夫妻が『本当に励まされている。助かっている』と言ってくださった。今後、第2~4回目の支援チーム派遣を予定している」と報告した。
そのほか、船越信哉(ОM日本代表)、弓削恵則(オペレーション・ブレッシング・ジャパン緊急災害支援担当)、石原靖大(いのりんジャパン代表)と菅由美子(一般社団法人Nature&Humans JAPAN代表)、諸藤栄一(九州キリスト災害支援センタースタッフ)の各氏が報告した。
(2024年03月24・31日号 02面掲載記事)