香港のキリスト教学校じわり抑圧 「信仰堅持」を祈って 「香港を覚えての祈祷会」
香港では、2020年の「国家安全維持法」に加え、さらに「国家安全条例」の制定が進められ、統制強化が危惧される。20年から継続している「香港を覚えての祈祷会」が2月19日に、オンラインで開かれ、50人が参加した。特に教育問題について現地のキリスト教学校チャプレンが語った。
【高橋良知】
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同祈祷会世話人の松谷曄介さん(金城学院大学宗教主事)は、香港情勢や昨年の台湾訪問の経験を語った。同地に移住した香港民主化運動のけん引役の一人、朱耀明牧師の近況や王少勇牧師(英国に移住)が導いた淡水香港教会の解散などに触れた。「台湾では香港の人が長期滞在することが難しい」と言う。一方香港に関する学術交流が進む様子も話した。
ゲストは高国雄牧師(香港中文大学・崇基学院チャプレン)。同大学は公立だが、神学校やチャプレンを有する。香港のキリスト教学校は、英国植民地時代以来、資金面では政府が公費から支出しつつ、学校運営は教会等の民間団体が担うという、いわば「公費私立学校」となっており、中国返還後もその形式が続いている。公立大学の中にも、崇基学院神学院のようにキリスト教団体が管理・運営するところもある。
状況は徐々に変化している。かつてキリスト教団体は優遇されていたが、補助金は各学校団体への均等配分になった。政府の民間団体への依存度も下がっている。運営の競争や申請手続きに追われる。
「改めてキリスト教教育の目的、存在意義が問われる。学長も以前よりも様々なことを考慮する必要が出てきた」と話す。
「伝道して教会に行く人が増えればいいのか、キリスト教の文化・価値観を示していくのか、、、、、
(2024年03月24・31日号 03面掲載記事)
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