ミャンマーでは、軍事クーデターから3年が過ぎたが、軍の空爆や無差別砲撃は続き、国外・国内避難民も減らない。2月10日に国軍が発表した「徴兵制」に、現地の若者は動揺している。
日本のクリスチャン有志による毎週金曜夜9時の「ミャンマーを覚える祈り会」はオンラインで実施し、160回以上継続した。支援金送金の働きを中心に始まった「アトゥトゥミャンマー支援」(以下アトゥトゥ)の活動内容も広がった。マイノリティエスニックグループを中心に支援している。
来日する在留の人々の支援もする。アトゥトゥ福岡が形成されるなど、関係する人々が各地で具体的支援もしている。入管法問題も切り離せない。
ボランティアによる日本語教室も喜ばれている。オンラインで参加していた学生が、渡日を果たし大学受験を控え、数学教室も始まった。
病院などへの同行活動では、同行者が友となり、その後も関わりが続くこともある。アトゥトゥ共同代表の渡邊さゆり氏(マイノリティ宣教センター共同主事、バプ同盟・駒込平和教会牧師)は「小さな働きが連動していく。新しく生まれた交流が喜ばれる」と話す。関わったミャンマー人の出身村に空爆が起きることも多い。
今回の「徴兵制」について、「そもそも『制度』と言えないようなプロセスでできた。若者たちも非服従運動をしたり、国内外に逃れようとしている。クーデター軍の意図通りにならないと言われている」と言う。
学習体としての働きも構想する。「日本とミャンマーのつながり、日本の外国人への施策、『支援』の神学的な考察もしたい。支援する、される、に二分されない関係を考えたい」
「祈り会で話される小さなストーリーから想像力を働かせて祈っていく。その時に語る言葉だけでなく、その後の1週間の活動をつくる祈りでもあると思ってやってきた。日本のキリスト教会でも珍しい信徒運動ではないか。軍事力でなく祈りでつながっていることが、軍事クーデターへの抵抗となっている」と語る。

2024年03月24・31日号 02面掲載記事)