第四回ローザンヌ世界宣教会議(9月、韓国仁川、オンライン)に向けて、毎週配信中の「ローザンヌ運動ポッドキャスト」(URLlausanne.org/podcast-series/lausanne-movement)から主要な論点を紹介する。第12~14回(2023年12月~24年1月配信)は多様なリーダーが話した。

 

前回

 

誰もが品性の成長必要

 

第12回配信は、ローザンヌ運動の若手リーダーのための上級コーディネーター、オーレマグナス・オラスフルドさん。ローザンヌ運動では世界各地にメンターたちがおり、若手リーダーを導く。今回の宣教会議に向け、世界各地から課題が上がったが、特に「意図的な弟子育成」が注目された。これはオラスフルドさんが強調する「生涯にわたるメンターシップ」にかかわる。

「生涯にわたるメンターシップ」はプログラムやハウツーではなく、関係性が重視される。「教会の施設や開拓についての具体的な助けではなく、内面、家族、ビジネス、身体、知的発達など人間全体にわたる。次の世代への弟子育成の継承という観点から、三世代にわたる弟子育成となる。メンターは答えを教えるという教師の立場ではなく、相互関係が大切」と解説した。

第13回配信は、カメルーンのデルフィン・ファンフォンさん。若者支援から始めた活動「ミー・フォー・リアル」は、「いまは大人も含めて、キリストのうちに確かなアイデンティティーを発見し、神から与えられた目的のために生きる自由を得た」と話した。

重視しているのは「品性」だ。「キリスト教徒であるかどうかにかかわらず、誰もが品性の優れた人間になる必要がある」と言う。対話と信頼関係の中で、福音を伝えることもある。

アフリカのリーダーシップの課題にも言及。「家父長的な文化の影響で、リーダーは立派であるべきというイメージがあり、助けを求めづらい」と指摘した。

失敗を犯したリーダーについても、「軽蔑されるべきではない」と言う。「どんな間違いを犯したのか。 私たちは彼らが立ち直るのを助けることができる」と述べた。そのようにして自分自身を見つめたリーダーを「イサク世代」と呼び、「前の世代と後の世代の架け橋になる」と励ました。

第14回配信は、ハンガリーのアティラ・ニャリさん。ローザンヌ運動のコミュニケーションチームのリーダーだ。

もともとビジネスの傍ら、様々な聖書研究グループを導いてきた。牧師に相談したところ、「あなたは牧師に召されている」と勧められ教会を設立して牧会した。

ハンガリーなど東ヨーロッパの地域性にも言及。「共産主義時代からの絶望感がある。歴史的に様々な戦争に翻弄され、『私たちはちっぽけな存在だ、何の価値もない』という感覚がずっと続いている」と語った。

牧会リーダーを次の人に移行した経験も話した。「移行の時」について、信頼できるローザンヌ運動のリーダーなどと相談。教会メンバーとも時間をかけて話し合い、良好な関係が続いた。

同時期にソーシャルメディア・ミニストリーに出会った。TikTokを使用した当初は「自分が年を取りすぎている」と感じたが、「20日間のチャレンジ」を自らに課し慣れていった。求道者や行き詰まったクリスチャンと有意義な会話ができている。

自国中心主義の世界的風潮に触れ、「自分の教会、奉仕、王国を築くことだけに集中するなら、それは非常に狭い経験になる」として、ローカルとグローバル、それぞれのリーダーの協働を勧めた。【高橋良知】

2024年07月28日号 03面掲載記事)