全キ災 今後の災害支援テーマに全体会合

キリスト全国災害ネット(全キ災)主催の第10回全体会合が9月30日から10月1日まで、千葉県市川市の山崎製パン総合クリエイションセンターで開催された。テーマは「今後の災害支援について」。全体会合では「人材をいかに育てるか」「災害時の心のケア」など、四つのセッションを行った。能登半島で活動する災害支援団体リーダーたちも駆けつけた。


全体会合で挨拶する北野氏

最初に、全キ災世話人代表の北野献慈氏(広島福音自由教会牧師)が挨拶。「一泊二日にわたり、様々なテーマについてじっくり考え、祈り合う機会が与えられて感謝している。能登の被災者に神様の助けと支えがあるようお祈りしている。日々の生活の中でつらいこともあるが、うれしいこともある。ドジャーズの大谷翔平選手の活躍は、同じ日本人というだけで心が踊る。また、久しぶりにクリスチャンの総理大臣が誕生した。石破茂首相は防災省をつくるビジョンを持っており、それがどう実現し、民間団体であるキリスト者の集まり、働きに寄与していくのかを期待しつつ見守りたい」と語った。

開会礼拝では、九州キリスト災害支援センター(九キ災)理事の竹崎光則氏(日本イエス・日田福音キリスト教会牧師)がヨハネの福音書6章の「五つのパンと二匹の魚」の奇跡の個所からメッセージ。「5千人もの群衆を前に、『五つのパンと二匹の魚だけで、一体何になる?』と思ってしまう。だが、イエスの手の上にそれが置かれた時、群衆がみな満たされた。私たちの支援の働きは尊いが、全体の被害状況、悲しむ人々を目の前にすると、『それが何になる?』と思ってしまう。しかし、イエス様は、皆様の働きを見ておられ、一つも無駄にならないよう必ず祝福してくださる」と励ました。

続いて、災害支援スタッフリーダーが能登半島被災地の現状を報告。市來雅伸氏(能登ヘルプ支援リーダー)は「先日の豪雨災害で、現地の人々も支援者も、風船がパンパンに張っているような張り詰めた状態だと感じている。被害は広範とは言えないが、一つ一つの規模が大きい。雪が積もる前に作業を終わらせないといけないので、今抱えている30ほどの案件に対しどうするか考え中だ。ぜひお祈りしてほしい」、天野真信氏(NPO法人LOVE EAST執行役員)は、「志賀町、穴水町を中心に活動してきたが、床上40、50㎝浸水した輪島市門前町の老人ホームの床上げ、泥出しの作業をしている。輪島市内の家屋からも要請があり、そちらも継続支援している。水害のなかった志賀町、穴水町の仮設への慰問活動も続けており、人手が足りない状態だ」、石原靖大氏(いのりんジャパン代表)は、「珠洲市で20ほどの案件を抱えている。1月から井戸掘りをしてきたが、町はいつ断水になるか分からない状態だ。水害が起きた時点で、年単位の支援継続を覚悟している。住民の気持ちにとことん寄り添える体制を整えたい」と語った。
(次号以降で詳細)

2024年10月20日号 01面掲載記事)