ハンガーゼロ(一般財団法人日本国際飢餓対策機構=大阪府八尾市)による、能登半島支援活動報告が、10月14日に泉大津市の南大阪聖書教会を会場に開催された「泉大津フェスタ」で行われた。登壇したのは同機構国内事業部巡回牧師で災害支援部国内課の佐味健志氏。音楽ゲストは音楽宣教師でゴスペルピアニストのドリーン・アイビー氏。

世界の飢餓人口約8億人という現状に、ハンガーゼロは物心両面の飢餓の解決を目標に掲げて、世界の飢餓地帯支援、災害被災地支援を続けている。活動の三本柱は「チャイルドサポート」「自立開発支援」「緊急支援」。今回「能登に光を」をテーマに、地震と水害の二重災害に苦しむ能登に必要な緊急支援について呼びかけた。

ハンガーゼロは1月1日の発災から3日後に能登に入った。佐味氏は「震災支援で大切なことは協力」と語り、地元の教会と共にキリスト教系団体「能登ヘルプ」を立ち上げ、河北郡の内灘聖書教会に本部を置き、ボランティアによる支援を行っていることを、映像と共に説明した。

能登の重要産業である輪島塗を倒壊した工房から取り出したり、大阪からの炊き出しなど、閉鎖的地域性もあってなかなかボランティア活動が受け入れられない中、支援を進めてきた。9月21日の豪雨は、仮設住宅まで床上浸水して、震災から立ち直りかけた被災者に追い打ちをかけた。

23日から東海福音フェローシップらと共に約30人が被災地入りして、泥のかき出しなどに着手した。台湾からもボランティアに来てくれた。泥が乾く前にかき出さなければならないため人手が必要な作業だ。普通の住宅なら1軒の家に10人入って3日かかるという。

「必要なのは、お祈りとボランティアと物資と寄付。特にボランティアが必要です。いくら人手があってもいい。仮設住宅での支援も必要です。女性でも高齢者でも子どもでも、話し相手になるだけでも支援になる。様々な働きがあります。まずは行ってみてほしい」

佐味氏は熊本地震を機に設立された九州キリスト災害支援センターの発起人の一人。発災時の、情報収集、救助等々の初動支援の重要さを痛感している。

「これからますます、各地で災害が増えるでしょう。災害が起こったらまず動ける人が動く。そして、大切なのは防災。備えていかなければ」

【藤原とみこ】

2024年11月10日号 02面掲載記事)