「キリストに妻がいた」という”古文書発見”の信憑性
9月18日、「キリストに妻がいた可能性を示す古文書が発見された」と報じるニュースが世界を駆けめぐった。イエスの発言を記したパピルス片に〝私の妻〟と記載があるというもの。だが、キリストに妻がいた証拠が発見されたかのような日本の報道とは裏腹に、米国ではその可能性を示すものが発見されただけ、という受け止めが主流という。パピルス片が紀元4世紀のものだとしても、それだけではキリストに関する歴史的事実を証明したとは言えないからだ。贋作と指摘する学者もいる。
米国・タルボット神学大学院の新約学准教授ゲーリー・マニング博士が9月19日、「『キリストに妻がいたのか?』新たに発見されたグノーシス主義による古文書」と題し福音主義の立場からの見解をサイト上に公開した。
http://www.thegoodbookblog.com/2012/sep/19/did-jesus-have-a-wife-a-new-gnostic-fragment/
発見されたという紙片は古代グノーシス派の本の一部と見られる。グノーシス主義の福音書は格言をまとめた短い書物で、キリストの伝記としては書かれていない。キリストの目撃者との関わりもなく、キリストから1世紀以上が経った後にグノーシス主義者たちによって書かれた。グノーシス主義は2世紀まで存在せず、イエスの格言を自ら作り上げることで有名だ。この古文書は本当のイエス・キリストに関して何一つ、私たちに語っていない、とマニング博士は見ている。
マニング博士の発表文書の翻訳全文は「リバイバルジャパン」10月21日号に掲載される。