<教会共同声明>

7月6日に早稲田で行われた人種的差別と憎悪を煽動する行為(ヘイトスピーチ)に強く抗議します

「寄留者があなたの土地に共に住んでいるなら、彼を虐げてはならない。あなたたちのもとに寄留する者をあなたたちのうちの土地に生まれた者同様に扱い、自分自身のように愛しなさい。なぜなら、あなたたちもエジプトの国においては寄留者であったからである。わたしはあなたたちの神、主である。」(旧約聖書レビ記19章33縲・4節)

私たちは、2014年7月6日午後、高田馬場から早稲田に至る地域で行われた、日本キリスト教会館ならびにキリスト教視聴覚センター(AVACO)に事務所を置く団体を標的とする、人種的差別と憎悪を煽動する行為(ヘイトスピーチ)に強く抗議します。

「朝鮮カルト組織犯罪撲滅デモ行進 in 高田馬場縲恆∴贒c」と題された今回のデモは、「外国人犯罪撲滅協議会」主催、「政教分離を求める会」後援により開催されました。主催者は「反日の牙城(日本基督教会館に突入!)」と謳い、日本キリスト教会館ならびにキリスト教視聴覚センター(AVACO)を「朝鮮カルト」と名指しました。
この主張は、全くの事実誤認にもとづく名誉毀損行為です。さらに、主催側がいかに「公安条例に基づいたデモ行進」と主張しても、この行為は在日韓国・朝鮮人をはじめとする在日外国人に対する、日本が既に批准している人種差別撤廃条約によって禁止されている差別行為であり、立法を含むすべての適当な方法により禁止し終了させられるべきものであることは明らかです。

さらに日本は、人種差別撤廃条約の締約国として、人種間の分断を強化するようないかなる動きも抑制すること、いかなる個人または団体による人種差別も後援せず擁護せず又は支持しないこと、そしてまた国および地方のすべての公の当局および機関がこの義務に従って行動するよう確保することを約束しています(同条約第2条および第4条)。
それにもかかわらず、「民主主義の名の下でレイシズムによるヘイトスピーチを許してはならない」と、抗議行動に加わった学生が、警察当局によって不当に逮捕され、10日間の拘留が決定したことに深い悲しみと憤りを憶えます。

私たちは、「平和を実現する者は幸いである」と語ったキリストの福音を証する者として、また、この世界に生きる全ての命を祝福する者として、以下のことを強く求めます。
(1)私たちは、今回の人種的差別を煽動する行為を行った者に対して抗議します。そして、他者の生命と身体に対する直接的な危害の煽動を直ちに中止し、ヘイトスピーチによって実際に危害を加えたことへの謝罪を求めます。
(2)私たちは、集会場所として西戸山公園の使用を容認した自治体や、デモ参加者の誘導、抗議行動への警備を行った警察に対して抗議します。「差別のあらゆる扇動または行為を根絶することを目的とする迅速かつ積極的な措置をとること」(同条約第4条)を求められている公的機関が、