以下、抗議と要望は、日本福音キリスト教会連合(JECA)全国社会委員会がJECA各教会に教会の有志による連名参加を募るため、作成したもの。

靖国神社および改憲問題に関わる抗議と要望

内閣総理大臣 安倍晋三殿

 日々の政務に対するご労に敬意を表します。
私たちは、あなた並びに日本の為政者が日本国憲法を重んじ、職務に専心されるよう、日々、天地万物の創造者であり、世の権威を立てられた、生ける神に祈る者たちです。

1.靖国神社参拝について
 さて、あなたは内閣総理大臣の立場で2013年12月26日に、靖国神社に参拝しました。近代以降の戦争における戦没者とともにA級戦犯(東京裁判の)が合祀(ごうし)されているこの神社に参拝したことに対して、中国と韓国と米国は、はっきりとした反対の立場を表明しています。国際交流と周辺各国との平和的共存の道を堅持することが、今日の日本において極めて重要であることは、周知の事実であります。あなたの行為はそれに逆行するものであり、日本をかつての戦時下のような孤立に導く危険があります。
 また、首相としての神社参拝は、政教分離を定めた日本国憲法20条3 項違反です(「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」)。そして、靖国神社を特別に優遇し、国がその宗教を公認することにつながる行為であり、この国で生活する私たちの信教の自由を脅かす行為です。
 私たちは、「あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない。」(旧約聖書•・出エジプト記20章3節)という聖書の教えに従う者で、神社参拝をしません。
 戦前戦中、国が神社神道を強要し、他の宗教を弾圧したことは記憶に新しいところですが、その悲劇の再来を招く首相の特定宗教施設への参拝に抗議します。そして同じような行為が繰り返されることがないように強く要望いたします。

2.新しい法律の制定、および改憲について
 20113年12月6日に、現内閣下において成立した「特定秘密の保護に関する法律」は、既に国家の秘密を守る法律がある中、さらに国民の知る権利を奪うことを目的としたもので、敗戦前の軍国主義に戻るものとなっています。
 また、最近、与党では、憲法96 条の先行改憲に着手する旨が表明されています。しかし、憲法96条の改憲は、国会で二分の一以上の議席を持つ政権与党が、政権の都合によって改憲のための発議を可能とするものです。これは、国家権力に歯止めを掛け、国民の基本的人権を保障する立憲主義に立つ日本国憲法の主旨に反する提案であり、憲法99条「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」で示されている憲法尊重義務に反する行為です。安易に憲法改正の条