2014年9月1日

内閣総理大臣 安倍晋三 様
防衛大臣 小野寺五典 様
沖縄防衛局長 武田博史 様

名護市辺野古の新基地建設着工(ボーリング調査)に抗議します
「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。」
マタイによる福音書26章52節

 私たちは日本聖公会に連なる者として、イエス・キリストの教えに従い、一人ひとりのいのちが尊ばれる社会の実現のために心を合わせて祈り活動しています。ことに、これまで20年以上にわたって、沖縄の視点から平和の学びを進めつつ、沖縄の米軍基地をめぐる現状に多大な関心を寄せてきました。そして今、かつて伊江島土地闘争に取り組み沖縄のガンジーと呼ばれた阿波根昌鴻さんの言葉を思い出さずにはおられません。「すべては剣をとる者は剣にて亡ぶ(聖書)、基地をもつ国は基地で亡び、核をもつ国は核で亡ぶ(歴史)」。私たちも、この聖書の言葉に拠って立つ者です。
私たちは、沖縄県民の総意のもと、沖縄県全41市町村の首長、議長たちが政府に対し辺野古への新基地建設反対を表明しているにも関わらず、今回、政府が新基地建設着工(ボーリング調査)を強行したことに強く抗議します。

 政府は「普天間基地の移設」・「沖縄基地負担の軽減」と言いますが、日米両政府が計画する「辺野古新基地」は、滑走路を2本持つV字型飛行場をはじめ、東洋一の規模と言われる嘉手納基地よりも大きく、また普天間基地にはない214メートルの埠頭や弾薬搭載エリアなど、巨大な総合基地となっており、新たな基地被害を生み出すことが心配されます。この米軍基地建設を沖縄県民の反対を押し切り、そして日本国民の多額の税金を使って行なうとすれば、政府自らが、民主主義を放棄するものではないでしょうか。

 安倍首相は、先の日米首脳会談で新基地建設に対し、「具体的な対応」をオバマ大統領に約束すると同時に、沖縄に対しては「沖縄の負担軽減に全力をあげる」と発言しました。しかし、これは、辺野古への新基地建設という米軍の要求を丸呑みする一方で、沖縄県民には新たな負担を負わせることに他なりません。また自民党幹部は仲井真弘多知事に、沖縄振興予算として今後8年間毎年3,000億円を約束し、辺野古移設を承認させました。私たちは国民を欺く首相や自民党幹部の姿勢は、断じて許されることではないと考えます。

 地元の稲嶺進名護市長は「海にも陸にも新しい基地はつくらせない」との公約を貫く立場を明確にしています。また、ジュゴンをはじめ希少海洋生物の絶滅への危惧をはじめ、生態系への影響を懸念し、世界各地から辺野古埋め立てへの反対の声も広がっています。
私たち日本聖公会は、辺野古への米軍基地建設「断固反対」を貫く沖縄県民と固く連帯し、また平和憲法を遵守する立場から、同時に、今回、政府が