2016年05月29日号 6面

日本福音主義神学会西部部会の2016年度春期研究会議が、4月25日に神戸市北区の神戸改革派神学校で行われた。今回の研究会議では「クリストファー・ライト『宣教的聖書解釈』を神学する試み〜日本伝道会議に向けて〜」をテーマに、9月に神戸で開催される第6回日本伝道会議の主題講演講師であるクリストファー・ライト博士の神学的提言が検証された。
基調講演は南野浩則氏(福音聖書神学校教務、MB石橋キリスト教会副牧師)が担当。単に宣教学の立場から聖書(特に旧約聖書)を読むにとどまらず、旧約聖書自体が宣教的な書物であるというライト博士のスタンスを中心に、その神学を語った。
宣教現場の多様性を訴えるとともに、その多様性がもたらす危険性を認識し「神による被造物全体への救済物語」を枠組みとするという視点は、ライト博士の基本的な立場を明確にし、伝道会議への期待をいっそう高めるものであった。
それを受けて、西部部会の理事6人が順に登壇し、その神学的提言への応答と日本伝道会議への期待を語った。それぞれが短い持ち時間で各自の視点・関心を示すことで、その神学の奥行や広がりが浮き彫りになったと言えよう。
分科会では4人の若手研究者による研究発表が行われた。内容は十戒、宇宙論、礼拝と多岐にわたり、神学の豊かな可能性を感じさせるものであった。それぞれの論がさらに深められることを期待したい。(レポート・山口暁生=いのちのことば社出版部編集者)