ロシアで『伝道規制法』成立、いかなる種類の伝道も禁止
【CJC】ロシアのウラジミール・プーチン大統領が7月7日、教会の建物や敷地以外では、いかなる種類の伝道も禁じる「伝道規制法」に署名し、同法が正式に成立した。
米宣教専門ANS通信によると、宣教団体「グレート・コミッション・メディア・ミニストリーズ」のハヌウ・ハウッカ会長は、「この新しい事態は1929年のソ連に似ている。信仰の表明は当時、残っていた教会の中だけで許されていた。言ってみれば昔と同じ状況に戻ってしまったのだ」と語った。
「伝道規制法」は、次のように定めている。
①信徒以外と神について議論することは宣教活動とみなされ処罰される。②宣教活動はその都度、政府の許可を必要とする。乗っている列車の中で許可証なしに信仰の証しをすれば拘束され罰金5万ルーブル(約10万5千円)を課される。③個人宅での宗教活動は許可されない。現状はロシアの7千教会は個人宅で会合している。④市民は、隣人の宗教活動を当局に通報する義務が課され、違反は処罰される。⑤個人が自宅で祈ったり、聖書を読むことは認められるが、非信者のいない時に限られる。⑥教会堂内で、神に立ち帰るよう人々に勧めることは許されない。礼拝は許されるが、非信者を「キリストの弟子」にすることは違法となる。⑦教会は資産を購入できるが、そこを礼拝の場所としてはならない。⑧外国からのゲストは、ロシア当局から就労許可証を得ていない限り教会で語ることは許されない。⑨ロシア以外から来た友人や親類が個人宅で信仰の分かち合いをした時は、罰金を課され、国外追放処分。
ハウッカ氏は「ロシアは扉を閉ざそうとしている。『伝道規制法』はロシア憲法にも、主なる神から教会に与えられた目的や使命とも全く相いれない」として、世界中のキリスト者たちに、ロシアの教会と共に祈ってほしいと呼び掛けている。