CD「IN THE HYMN, vol.3」小坂 直輝――心が癒されるクリアでクールなピアノ
クリアでクールなピアノの音色に心が癒される思いがする。
小坂直輝(ピアノ・編曲)による讃美歌集第三章。全て「讃美歌」および「讃美歌第二編」からの選曲で、それを素晴らしいアレンジと演奏で、新しい輝きで聴かせてくれる。
前作「IN THE HYMN, volume 2」(https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/?p=1421)はどちらかというと、全体として静かな、デボーショナルな感じだった。本作もそういう面があるが、よりアップテンポな明るい印象を受ける。「Greensleeves」「Go Tell it On The Mountain」「Be Thou My Vision」などのよく知られた曲の選曲や、ピアノソロのみの前作と違って3曲でベース(柳原達夫)が加わっているという演奏フォーマットにより、幅が広い、オープンな印象を受け、クリスチャンでない人にもより受け入れられやすいように思う。
3曲目の「Greensleeves」はクリスマスソングとして有名だが、そう思って聴くと出だしで戸惑ってしまう。「古いものはみな うしろに過ぎ去り」と題があるので、この曲は「讃美歌第二編152番」の方だとわかる。152番の歌詞を見ながら聴くと、このアレンジはその内容をよく表しているように思える。そのように讃美歌を開いて聴くと非常に味わい深い。
なんとなく音を出しましたというのとは別次元のもので、しっかりと讃美歌を咀嚼(そしゃく)し、自分の音で表現している。知的でかつ音楽的な讃美歌集だ。
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