日本基督教団奥羽教区が改正組織的犯罪処罰法(共謀罪)可決に抗議し、同法の廃止
日本基督教団奥羽教区(邑原宗男総会議長)は6月19日、15日に参議院本会議において改正組織的犯罪処罰法(共謀罪)が可決したことに対し、安倍晋三内閣総理大臣、金田勝年法務大臣、大島理森衆議院議長、伊達忠一参議院議長宛に「改正組織的犯罪処罰法(共謀罪)可決に抗議し、同法の廃止を求める声明」を出した。内容は以下の通り。
去る6月15日、参議院本会議において改正お式的犯罪処罰法(共謀罪)が可決されましたことに対して、私ども日本基督教団奥羽教区は強く抗議をいたします。
それに至る過程の中で多くの反対の声が上げられ、十分な審議がなされていないにも関わらず、参議院法務委員会での採決を省略し、「中間報告」という形をもって本会議での採決が行われました。反対の声に耳を傾けることなく、数に物を言わせるような形で強行に推し進めていく様は、民主主義を踏みにじる暴挙であります。このことに対しても強い抗議の意志を表すと共に、現在の政権与党の状況は独裁体制そのものであるとはっきり申し上げる次第です。
憲法によって、誰もが個人として持つべきである信教の自由をはじめ、内心の自由に基づく表現の自由等の基本権が保障されています。しかしかつて、戦前・戦中に治安維持法により、国の政策を批判したとして、多くの人々が投獄され、内心はおろか命さえも奪われました。特にホーリネス系教会(日本基督教団旧第6部・9部)の人たちが味わった弾圧の苦難を、私どもキリスト者は決して忘れません。
改正組織的犯罪処罰法は、盗聴やGPSを使った位置特定や、個人のメールまでチェックの対象とされる監視社会を作り出し、人権を損ねていきます。これまで政府は、特定秘密保護法、通信傍受法、安全保障関連法を強行可決させ、国民の知る権利を侵害してきました。こうした法整備は「戦時体制国家」へと邁進し、その総仕上げとして、憲法改悪への道ぞなえにほかなりません。
私どもキリスト者は、表現の自由、思想・良心の自由、信教の自由が尊ばれる社会の実現を希求し、よって改正組織的犯罪処罰法に反対し、同法の廃止を強く求めます。
2017年6月19日
日本基督教団奥羽教区
総会議長 邑原 宗男