2017年8月13日号1面

72年前の8月15日、北京の日本軍捕虜収容所で、その米兵は誰よりも早く戦争の終結を知っていた。5日前、「平和のために祈れ」と神からの促しを感じて祈り始めた兵士は、祈りの中で連合軍の勝利を悟る。直前に広島、長崎に原子爆弾が落とされたことなど知るよしもない。そして数日のうちに、敗北にうちひしがれる日本人に、収容所の独房で知ったイエス・キリストにある勝利を伝えに行かなければ、と召命を受けた。独房で読んだ聖書によって、自分を虐待する看守を赦し、心にあふれる愛と和解を経験した兵士は、退役して宣教師となり、「平和の福音」を携えて日本へ。その証言は、戦後の日米両国に「汝の敵を愛せよ」というイエスのことばが現実であることを実証した。