2018年01月07・14日号 04面

日本メノナイトブレザレン教団(MB)・堺中央キリスト教会(杉貴生牧師)で、毎週水曜日の夜に中高生が集まって勉強や交流をする、中高生のための「水曜学校」が開かれている。
集合は午後7時半。40分から8時20分まで勉強タイム。基本的に自習で、質問や手助けが必要な時は、担当の杉牧師とスタッフの石井智子さんが交替で手伝う。子どもたち同士で教え合うこともある。その後20分間の休憩タイムではお菓子を食べながらの雑談。また9時20分まで勉強をして、10分間のチャペルタイムには聖書を開いてみことばを分かち合う。
参加者の多くは教会のクリスチャンホームの子どもたちだ。中学生になると部活や塾などで多忙になり、多くの子どもたちが教会から離れてしまう。やがては教会の強力なメンバーになるはずの子どもたちへの信仰の継承は、教会の大きな課題だった。DSCN1885
教団の福音聖書神学校の校長も務める杉牧師は「イエス様が自分のミニストリーを担う人を育成したように、次代のリーダーは自分たちが汗を流して育てなければ」と、考えている。中高生たちを何とか教会につなぎ止めたい、彼らの居場所を作りたいと始めたのが今の水曜学校だ。中高生世代は仲間意識が強く、友達関係を大事にする。教会の中で同世代が一緒に過ごす時間は互いの繋がりを深める上でも、さらに大人になった自分たちが彼らと時間を共有できるという点でも意義深いと、杉牧師は実感している。
「大人になって中高生たちとざっくばらんに友達のようにしゃべれるというのは、一種の能力ではないかと思います。彼らとの共通言語を失ってきたなと感じている我々世代にとって、勉強なら共有できるなという発想でした」
学習塾のような指導はできないが、宿題や予習復習の面倒を見ることはできる。教会の近くにある大阪府立大学で情報処理を学んでいた杉牧師は、数学と英語は得意分野だ。現役大学生らにも助けられて、20人前後の中高生が集う活気ある集会に育ち、教会の礼拝にも参加している。IMG_2432
「この子たちが成人した後もずっと教会につながっていって、教会の中心メンバーになってくれたらと願っています。彼らは教会のかけがえのない財産です。結局、教会というのは人なのだと思います。同世代はもちろん、世代を超えた人と人との関係作りを大切にしたいと思っています」
思春期で難しい中高生には、特に温かな人間関係作りを心掛けている。2カ月に1回のペースで土日の夜に開いている中高生会も、彼らとの良き交流の場だ。クリスチャンホームではない家庭の子どもたちも参加して、賛美ありゲームあり食事ありの楽しいひと時を過ごす。終わりは礼拝で締める。水曜学校でも中高生会でも、ティータイムは心開いて話し合える場だ。こうした時間を通して「あなた方は大切なんだ」という思いが伝わればと願っている。
クリスチャンホームの子どもたちと交流する中で杉牧師は、彼らの多くに基本的な聖書知識が欠けていると感じている。
「自分で学ばないと、教会学校だけではなかなか身につかない。家庭でのフォローが大事だと思います。聖書がベースになければ、いとも簡単に世の中の思想にやられてしまいます」
受験や様々な課題を抱える中高生たちに、いかなるときも揺るがない信仰を持ってほしい、神のみ心がなる人生を歩んでほしいと、杉牧師は心から願っている。