5月6日号紙面:日本福音同盟創立50周年 関係者招きお茶の水で感謝会
「福音の信仰のために」さらなる一致と前進を 日本福音同盟創立50周年
日本福音同盟(JEA、廣瀬薫理事長)が創立50周年を迎え、4月23日、お茶の水クリスチャン・センター(東京・千代田区)で「日本福音同盟創立50周年感謝会」を開催した。関係者や来賓約120人が参加する中、午前の礼拝では説教とともに映像で50年を振り返り、聖書信仰の堅持、福音の進展のための教派を超えた協力、キリスト者としての社会的責任の実践、さらにアジア及び世界の諸教会と協力することを確認した。【髙橋昌彦】
JEAは、戦後の高等批評による聖書観浸透への危機感を背景に、日本プロテスタント聖書信仰同盟、日本福音連盟、日本福音宣教師団(JEMA)の3者を母体として、「聖書は誤りなき神のことば」であるという共通の信仰のもと、福音のために協力提携を進めていくことを目的に1968年に創立された。以来、74年から2016年まで6回にわたって日本伝道会議を開催し、また震災時には教会協力の中でその支援を進めるなど、1986年の再編を間にはさみ、日本の聖書信仰・福音派を代表する機関としてその働きを担ってきた。
礼拝では理事長の廣瀬氏が「福音の信仰のために」と題してメッセージ。JEAの標語にもなっている「心を一つにして、福音の信仰のために、力を合わせて戦い」を引き、「これはピリピ1章27節の言葉だが、一つの翻訳聖書からの引用ではない。『心を一つにして』は新改訳、『力を合わせて戦い』は口語訳、その間にある『福音の信仰のために』は両者に共通している。さらにこの部分は、新共同訳においても、『聖書新改訳2017』においても同じである。このことは、福音のための一致を聖書信仰にたって目指すというJEAにとっては象徴的であり、この言葉を絆として、違いをのり超えて一致してきたのがJEA50年の歩みだと思っている」。続く28節に記される「反対者たち」に触れ、いつの時代も福音をゆがめる力はあり、「外から来る困難に立ち向かうためには、内側で福音信仰に対して一致していることが大事」と語る。
そのために私たちは、「同じ思い」「同じ愛の心」「心を合わせ」「思いを一つに」「何事も利己的な思いや虚栄心からするのでなく」「主の前に人の前にへりくだって」「互いに人を自分よりもすぐれた者と思い」「自分のことだけでなく、他の人のことも顧みる」ように整えられ、「イエス様にならう生き方」をするように。さらに「JEAの一致は多様性を尊重する一致。『福音の信仰のために』というベクトルは鮮明にし、スタンスは広くと願っている。宗教改革500年を経て、次の節目として東西教会が分裂した『大シスマ』千年が近づいている。プロテスタント諸教派の分裂を乗り越え、カトリックとの分裂を癒し、東西教会のギャップに橋をかけ、さらに全被造世界が主にあって一つになる所に進みたい。私たちは聖書信仰に立って、イエス様が願われた一致のための歩みを今重ねて行く責任がある」と語った。。
「この10年の歩み」として、元理事長の中島秀一氏と前理事長の中台孝雄氏が登壇。中島氏は在任中韓国との協力体制を進めたことを述べ「日本の教会はいまだ開拓期と認識すべき。加盟する教団、団体が一丸となり、救霊宣教に励むことこそ大事」。中台氏は災害支援が教会協力を進めた面があることに触れ、「それがさらに宣教協力へと少しずつ整えられ、特に若い世代で進められている」と語った。
祝辞として、日本キリスト教協議会議長渡部信氏より「JEAと祈りを合わせながら、日本における宣教と伝道の業、奉仕の業にいそしんでまいりたい」とのメッセージが寄せられ、日本ペンテコステネットワーク代表細井眞氏からは、「神の愛により調和が図られ、日本の1億3千万人の救いのために、一緒に働かせていただきたい」との言葉があった。
午後の愛餐の時には、日本福音連盟副理事長島津吉成氏、日本福音宣教師団副会長ポール鈴木氏、JEA創立から関わった泉田昭氏、尾山令仁氏、女性委員を務めた稲垣緋紗子氏も挨拶に立った。