2018年06月10日号 01面

14年途絶えた教会協力の「宝」が再確認され、地域の超教派集会が復活した。5月19、20日の両日、沖縄本島中部嘉手納町かでな文化センターを会場に、「第22回沖縄ペンテコステ大会」が「ここに愛がある」をテーマに開催された。会講師にはLYRE、小山英児氏(TPKF・栄シャローム福音教会牧師)が立ち、賛美とメッセージを通して永遠の神の愛が伝えられる大会となった。2日間にわたりのべ1460人となった大会の参加者たちからは、大会復活を喜ぶ声や、LYREの賛美の素晴らしさ、小山氏を通して語られた神の愛への感動の声が聞かれた。(レポート・石原真=沖縄バプテスト連盟与勝バプテスト教会牧師)

 

この「沖縄ペンテコステ大会」は、36年前に沖縄本島中部にある超教派の教会、牧師たちの親睦会「沖縄中部教役者会(「中教」)が主催して始められた伝道集会である。また、この大会は、福音宣教を開催の主目的としながら、教会誕生の記念日である「ペンテコステ」を、クリスマス、イースターに次いで一般社会に知らしめたいという思いもあり、大会の名称が「沖縄ペンテコステ大会」となった経緯もある。そのように始められた大会は、14年前の第21回大会までは毎年のように、このペンテコステの時期に開催されてきた。しかし、「中教」及び中教に属する諸教会の事情もあり、14年前には中断せざるを得なくなったのである。

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14年ぶりの開催について中教会長の崎原盛親師(単立・キリスト希望教会)は、「14年という年月は、決して短い時間でありませんでした。しかし、今回、過去21回にわたり開催されてきた沖縄ペンテコステ大会が、救霊のために用いられたことはもちろん、牧師、兄弟姉妹の交わりと成長のために用いられた『中教の宝』であることが再確認されたことで、大会の復活につながったと思います」とコメントを寄せた。

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大会は、初日のオープニングを大会のために結成された総勢50人にも及ぶキッズクワイヤが飾った。幼稚園児から中学生までのキッズで構成されたクワイヤの元気いっぱいの声が会場全体に響き渡ると、会場は一気に和やかで温かい雰囲気に変わった。その後、会長挨拶と祈りの時があり、続くスペシャルプログラムとして嘉手納アッセンブリー教会の青年たちによる無言劇(スキット)が演じられた。

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大会講師のLYREの賛美とメッセージは、2日間で20曲ものオリジナルの曲が披露された。メンバー6人が奏でるハーモニーと彼らの証に、会場に詰めかけた参加者たちは慰められ励まされた。また、LYREの賛美の合間に語られた小山氏のメッセージも、小山氏の経験を踏まえて語られ、わかりやすく温かみのある人柄を感じさせ、十分に神様の愛が伝わるものであった。

そして、その後には、LYREの協力も得て、LYREのオリジナル賛美の一曲「月の光」を大会テーマソングとして、会衆も一緒に賛美する時をもった。

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合同礼拝も実現

自由な中にも「一致感」

大会2日目も、同じようなプログラムで進行したが、オープニングはキッズクワイヤに代わり、これも大会開催のために各教会に呼びかけられて結成された大会聖歌隊が担当した。聖歌隊の衣装は、赤と白を基調としながらも着こなしは各自に任されており、これまでの大会の聖歌隊と比べると自由な雰囲気であった。しかし、自由な中にも一致感があり、それはまさしくペンテコステの日に各地に散らされたユダヤ人たちがイエス・キリストを信じる一つの群れに加えられた出来事を想起させる瞬間でもあった。スペシャルプログラムでは、ゴスペルフラダンスが披露され、体全体を使って神への愛が賛美された。

また、今回の大会では、大会の復活と共に新たな取り組みもあった。それは、「合同礼拝」の開催である。これはやはり「ペンテコステ」を記念するという趣旨の下、中教に属する教会が一同に介して礼拝を捧ささげたいということで取り組まれた。

これまで21回も伝道集会を協力して行ってきた「中教」においても、合同礼拝となるとハードルが高かった。それは、礼拝への取り組み方はもちろん、各教会の事情も異なるため、難しいとされてきたのである。しかし、今回、牧師たちの話し合いの中で、合同礼拝の開催場所を東地区西地区で2か所を設け、礼拝への参加は各教会それぞれの判断に任せる形で協力を呼びかけることになった。

結果として中教所属の教会3分の2以上の教会が、東西いずれかで礼拝を捧げることができた。初めての取り組みではあったが、同時刻の開始を意識して、同じ週報を用いて礼拝を捧げることによって、キリストにある一体感を意識することができたように思う。礼拝に出席した方々からも、「神様の愛を感じることができた」「この本島中部に、多くのクリスチャンがいることに励まされた」「素晴らしかった」「毎年、合同礼拝を行って欲しい」などの声を聞くことができた。今後の展開が楽しみである。

大会講師として賛美の歌声とメッセージを伝えたLYREからも「この1年いろいろとあり、メンバー全員で本当に沖縄に行けるのか、不安を覚える時期もあった。しかし、結果として6人全員で沖縄に来ることができたのも神様が開いてくださったから。栄光を神様にお返しします」とのコメントをいただいた。

盛況のうちに幕を閉じた第22回沖縄ペンテコステ大会であったが、東地区で執り行われた合同礼拝では、久場一郎氏(賛美の家教会)を通して「14年ぶりの大会がゴールではなく、ここから更に深みに漕ぎ出して網を下ろしていきたい」とのメッセージが語られた。これからの沖縄中部教役者会の歩みに期待したい。