03香山

 社会的に活躍する人の中に、キリスト教会に近い人がいる。精神科医、立教大学教員、かつ論客である著者もその1人。幼少から教会に親しみ、現在も日曜礼拝に出席するが、洗礼は「いつかしたい」。そのような「迷い」を正直に語りながら、キリスト教と現代日本の可能性を本書は論じる。臨床やキャンパスの現場から現代日本の心の課題を提示。開かれる教会への期待とともに、安易な「宗教」の自己愛や成果主義に注意しつつ、正義、平和問題へと目を向ける。後半はキリスト教カウンセリングセンター理事長賀来周一氏との対談。教会とカウンセリングの関係に始まり、一致と分裂、裁きと赦し、「壁」と居場所なども話す。

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