共同通信よると、7月12日現在愛媛県は死者26人と、広島県、岡山県に次いで犠牲者が多かった。
南予(愛媛県南部)にある日本基督教団の教会の被災状況について、同教団四国教区の森分信基牧師(日基教団・八幡山教会)に話を聞いた。
 宇和島市三間町の日基教団・三間伝道所(知花龍磨牧師)は牧師館が床上浸水に遭い、土間に泥が入った。10日に四国教区の牧師7人が駆けつけ「第1回目の泥出し」をし、12日には牧師数人で荷物出しの作業を行った。「壁にヘドロが染み込んでいて1回ではすまない。しばらく通い続ける必要がある」という。牧師夫人の知花尚子さんは「初期対応が早くてとても助かった」と感謝する。
 宇和島市吉田町の伊予吉田教会(知花龍磨牧師)は、「駐車場、会堂の玄関までヘドロが入り込んでいた。礼拝堂は守られたが、風呂にもヘドロがついていた」。また、信徒宅が床上浸水に遭った。四国教区でボランティアを募り、16日に伊予吉田教会の清掃を行った。宇和島市津島町の岩松教会(新垣達也牧師)は、牧師館が床上浸水に遭った。
 大洲市長浜甲の伊予長浜教会(筧牧人牧師)は断水状態だ。「以前から長浜は復旧が遅く、夏休みが明けるまで日常的に水のない状態が続くだろう」と心配する。
 西予市野村町の野村教会(佐藤浩之牧師)は、「肱川上流の鹿野川ダムが溢れ、危険ということで放水された。野村町はその下流にあったので心配された」が、被害はなかった。
 東予(愛媛県東部)の教会も、「教会付属の幼稚園に被害があるようだ。だが、南予のほうが被害状況は深刻だろう」と話してくれた。
 「四国教区は東日本大震災以降、自分たちが被害にあった時どうするかガイドラインを考え、シミュレーションしてきた。その最初の実践が今回だった」とも話す。また、熊本・大分地震を経験した九州地区、新潟中越地震を経験した新潟地区の教会から、水などの支援があったことを明かした。
 「先が見えない状況の中で、とにかく祈りながら寄り添い、生き抜いていきたい。長引くと疲れてしまうので、ぜひ長く継続的に被災した教会、地域のために祈り続けてほしい」と要請した。
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 死者4人を出した大洲市では、大洲の日基教団・大洲教会(松井暁郎牧師)の信徒宅2軒が床上浸水に遭った。「地域的には柚木地区が被害が大きかった」という。長浜甲の日基教団・伊予長浜教会(筧牧人牧師)は断水状態だ。大洲のアライアンス・大洲協同キリスト教会(濱﨑勇二牧師)は、教会堂に被害はなかったが信徒宅3軒が床上浸水に遭った。濱﨑牧師は、「市内を流れる肱川上流にある鹿野川ダムに水が入り込み、危険ということで放水されたこともあり、水の回りが早く、車が流されたりした。40年間、この地で牧会しているが、こんなに雨が降ったのは初めて」と話した。