「みなみななみ 絵本で読む平和展」(同実行委員会主催)が7月31日から、東京・中央区銀座の銀座教会東京福音会センター ギャラリー・ピスティスで開かれている。
 会場にはイラストレーターのみなみななみさんの作品『ぼくのみたもの 第五福竜丸のおはなし』(いのちのことば社)、『ヒロシマの少年 じろうちゃん』(ビブロス)、『父の東京大空襲』(自費出版)の原画を展示している。
 絵を描くきっかけは、まず第五福竜丸展示館に行ったこと。「学芸員さんの説明を聞いていたら、自分もその時ビキニの海にいたような気がした。展示館から帰った後も『福竜丸』が見たであろう情景がずっと消えなかった。だからその絵を描いた」
 広島の絵は、被爆二世のやまだみどりさんが、『ぼくのみたもの』を手に取ってくれたことから始まった。5歳の孫にその絵本を読み聞かせると、孫は「『じろうちゃん』と同じだね」と言った。「じろうちゃん」は広島の原爆のことを伝えたくて、みどりさんが書いた詩だ。自身の詩に絵をつけて絵本にしたいとななみさんにお願いした。
 『父の東京大空襲』は、小さい頃から何回も聞いていた父の戦争体験を描いたものだ。
 「さあ描こうと思って描いたものではなく、その事実に触れ、絵が心に浮かび、心から離れず、気が付いたらできていた」とななみさん。「絵本を通して、戦争を知らない世代へ平和の大切さを知らせるきっかけになれば」と願っている。
 「絵本で読む平和展」は8月12日まで。火〜土曜日は午前11時〜午後7時、日曜日は午後1時〜午後6時(最終日は5時まで)、月曜休館。入場無料。問い合わせはTel03・3561・2910、銀座教会東京福音会センターまで。