屋根が飛ばされ、十字架が傾き、窓が壊れ… 台風21号の爪痕 教会にも
最大震度7の地震が襲った北海道に注目が集まるが、9月4日から5日にかけて日本列島を襲った台風21号の被害も広がっている。
兵庫県尼崎市の福音自由・クライストコミュニティ武庫之荘チャペル(大橋謙一牧師)では、15メートル四方のトタン屋根が強風で吹き飛ばされた。「四十数年関西に住んでいるが、初めて経験するような強風だった。その日は岡山にボランティアに行く予定で、『とりあえず台風が通り過ぎるのを待とうか』と思っていたら、こんなことになってしまった。何より、人に危害が及ばなかったことにホッとしています」
電線と隣の家の屋根を傷つけたトタン屋根は現在、電気ノコギリで切り分け、教会の駐輪場に置いてある。屋根の修理は保険がきくが、トタン屋根を業者に持って行ってもらうのに10万円ほどかかるという。
屋根がはがれたことで、最上階にある牧師館の室内に雨漏りがし、家具類が濡れたり、壁紙に染みができる被害も。外付けの物置が壊れたとも話す。教会員の家も「一部屋根瓦が飛んだ。今も雨漏りがしているが、ブルーシートもかけられない状況だ」。
しかし大橋牧師は、「私たち家族はいたって元気。全然へこむことはなかった」と明るい。「阪神淡路大震災を経験し、被災地にボランティアにも行かしてもらい、状況が分かっているので、苦にはならない。むしろ、信徒の方々の家がすみやかに直るように、経済的な必要が満たされるように祈ってほしい」と要請した。
浸水と連絡橋の破損に遭った関西空港から比較的近い大阪府泉南市の単立・泉南聖書教会(大寺俊紀牧師)では、トイレの窓が全壊、玄関先のポールに物が当たって壊れる、スレート屋根がめくれるなどの被害に遭った。教会の東、南、西側は畑でさえぎるものが何もなく、強風がもろに当たったと話す。修繕には100万円ほどかかると言う。
大寺牧師は「毎年、こういうことが起こるかもしれないので、自分の所だけでなく、周りの人々のためにも教会で水や食料を購入して備えていきたい」と語った。
京都府京田辺市のICM・京都インターナショナルチャペル(クリス・モモセ主任牧師)では、スクールにも使っている3階建ての建物の屋根の4割が強風ではがれ、飛ばされた。「コンパネ(屋根の下地材)まではがれた。雨漏りがあり、今はブルーシートを覆っている状態だ。いい屋根屋さんに修理してもらえるようにお祈りしている」とモモセ牧師は語った。
大阪府枚方市のナザレン・楠葉台教会(藤原伸彦牧師)は、教会堂の頂の十字架が根元から40度ほど傾いた。「かなり重いので、落下しなったのが幸いだった」と藤原牧師。「十字架の撤去作業にかかる前に十字架が倒れ落下しないように、無事に工事が終了するように。撤去したものに代わるものを考えないといけないので、主の栄光を表すために最善の方法が示されるように。周辺の皆さんも被災されているので、近所の方々はじめ台風で被災された方々が一日も早く修繕を終え、安心して生活ができるように」と祈りを要請した。
その他、地元教会の牧師からの情報によれば、兵庫県西宮市のアッセンブリー・西宮アガペー教会(姜一成 牧師)が高潮で1階が浸水、神戸市東灘区の単立・神戸新生教会(野口周爾牧師)は川から上ってきた水で浸水する被害に遭ったという。