写真=能舞台「豊響殿」
四季折々の自然の美しさを満喫できる、京都市の郊外に建つ関西セミナーハウス(修学院きらら山荘)。1967年に公益財団法人クリスチャン・アカデミーによって開設されて以来、会議や研修に最適な宿泊施設として親しまれてきた。比叡山の2合目に位置しており、山に育まれた水のおいしさには定評がある。「喫茶室のコーヒーが一味違うのは、この水のおかげ」と、4月から館長に就任する森口明洋さんは太鼓判を押す。もちろん食事のおいしさにも一役買っているという。

 ここはドイツ発祥の「話し合いを通じて正義、平和、いのちが尊ばれる社会の実現をめざす」という、アカデミー運動の関西拠点だ。館内にある関西セミナーハウス活動センターでは、年間を通して社会の諸問題や宗教的テーマに取り組んでいる。こうした活動センターの参加者や、学会や企業や教会関係、大学生や高校生の合宿など、幅広い層に人気の施設だ。もちろん個人の宿泊客も歓迎している。本館1階にある約100人収容の会議室は2方ガラス張りで、窓外の季節ごとの美しさを堪能できる。その他人数に合わせて選べる会議室が4室ある。

写真=別館の和室

写真=本館のゆったりとした洋室

 本館客室はシングル6千800円〜(税込み、以下同)、スタンダードツイン8千200円〜、シンプルツイン6千500円〜、トリプル5千900円〜、定員6人の和室「竹」2万2千500円〜。いずれもゆったりとした室内で利用客に喜ばれている。どの部屋も、広く取った窓から周囲の自然が味わえる。別館は元は別荘だったという広々とした日本家屋。8人定員の和室「桜」は2万7千900円〜、6人定員の「もみじ」も同額。金額は季節によって変動する場合がある。施設全体で最大約90人が宿泊できる。教会関係者は特別料金が設定してある(要相談)。

写真=茶室「清心庵」

 別館は白砂を敷いた日本庭園に面しており、能舞台「豊響殿」につながっている。「豊響殿」は、豊臣秀吉没後300年を記念して1898年に建てられ,何人かの所有者を経て移築されたものだ。本格的能舞台だが、3方ガラス戸を設けた近代的造りで、床に敷き物を敷いて会議室として使うこともできる。毎年秋には薪能が開催される。隣接する茶室「清心庵」でお茶を楽しみたい人は、予約すれば1千100円(宿泊利用者は千円)で、本格的なお点前を体験できる。

 毎年11月23日に開かれる「紅葉まつり」は、お茶会を兼ねた人気イベント。紅葉に包まれて、最も人気がある季節だが「新緑の頃も素晴らしい」と、スタッフは声を合わせる。春から初夏にかけて、輝く青もみじが建物を包む。鳥のさえずりが一年でいちばん豊かになる時でもある。

 森口さんは「ここは環境が抜群。修学院離宮や曼殊院にも近く、京都の名所に行くにも便利な場所です。駐車場も広いので、車で来られる方にもお勧めです」と話す。修学院はかつて皇族が別荘を置いた地。いつ来ても、中心部の華やかさとは違う安らぎに満ちた場所だ。どんな季節でも美しい。【藤原とみこ

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