ローザンヌ・EA YLG開催 韓国・済州島に東アジア各地から220人以上、日本から60人が参加 “どんな犠牲を払っても福音伝える”

 世界的な宣教運動、ローザンヌ世界宣教運動による東アジア次世代リーダー大会(EA YLG=East Asia Younger Leaders Gathering)が3月25〜28日、韓国・済州島で開催された。40歳未満を中心に東アジア各地から多様な働き、役職の次世代リーダー220人以上、メンター45人、奉仕者60人以上。日本からの参加もメンター、奉仕者含め約60人あった。2016年にインドネシアで開催された世界規模のYLGの中で、東アジア大会開催が提案され今回実現した。ローザンヌ運動では16年以後10年「YLGen」(Younger Leaders Generation)の枠組みで各地の次世代を励ましていく。(7面に関連記事、次号以降でも詳報)【高橋良知

 EA YLGではテーマ「福音の本質」のもと、「多様性の中での一致」「どんな犠牲を払っても失われた魂に福音を伝える」が目標に掲げられた。集会全体を通して繰り返されたキーワードは「一致」、「謙遜」、「私は出会った」(I met、人生を変える出会いという意味で)など。集会では結びつき(キリスト、教会、クリスチャン、クリスチャンではない人たち、世界の諸問題)、出会いを喜ぶこと、人格を深めることが勧められた。

 ステージでは、多様な団体からなる合同賛美チームが力強い歌と演奏で導き、複数の講師による聖書講演、各国・地域の神の働きの証と祈りなどがあった。

写真=様々な交流、討論、祈りの機会があり、最終日は一致を覚える聖餐式があった。                     写真提供=EA YLG企画チーム

 参加者は大会全体を通して関心の近い者どうしからなるネットワークグループに所属して集会後に討議や交流をした。

 これと別にアート、ビジネス、リーダーシップ、歴史、一致、宣教、神学などの分科会もあり、グループを超えて興味ある分野に参加者は集っていた。集会外の時間では、年長のメンターと参加者との一対一の対話の時間があり、参加者は励ましを受けていた。「御霊による、自由で有機的な交わり」が意図されて、食事、自由時間が長く設けられ、参加者は現状やビジョンを語り合った。

 4日間は毎日「栄光」「堕落」「福音」「宣教」とそれぞれのテーマが設けられ、ローザンヌ運動総裁のマイケル・オーさん、OMF総裁のパトリック・フンさん、グッド・シェファード・メソジスト教会牧師のユ・ギソンさん、オンヌリ教会牧師のイ・ジェフンさんが講師に立ち、聖書メッセージで参加者を励ました。

一致を保ち続けて

写真=左から武田さん、ユさん

 EA YLG企画チームは、東アジア出身者による多国籍のチーム。16年のYLG後に17年に組織され、毎週オンラインで会議をしてきた。

 最終日の挨拶で共同実行委員長であり韓国人であるユ・ジヨンさんは、「大会の準備の初めから、『一致』という言葉が与えられていた」と話した。「単なる一致ではなく、神の聖霊による一致。実際は、一人一人違いがあり、準備の過程で、個々の考え方の違いにより不便や痛みを覚えることもあった。しかし神の一致は、私たちが選ぶものではなく、すでに与えられているものです」

 ローマ12章4〜10節を引用し、「このような一致の姿がチーム、参加者、ボランティア、メンターの間で実現した。たとえば賛美チームのメンバーは、それぞれ別のミニストリーの人たち。全員が初めて集まれたのは大会初日だった。しかし賛美は本当に聖霊に満ち、力があった。ボランティアも5つ以上の異なるチームから集った。ミスなどはあったが、それぞれが本当に互いを尊重していた」

 「皆さんとぜひ、また会いたい。地上で会えなくても、私たちは必ず天国で会える。そのとき、それぞれ神様から与えられた働きを喜び、神の計画の実現をみることができると思うと待ち遠しい」と述べた。

 共同実行委員長の武田 考平さん(聖契・東京ライフチャーチ牧師)も「キリストにある多様性の中での一致をまず最初に企画チームで見ることができた」と言う。「一致は目でみることができる。企画チームだけでなく大会すべての中で見ることができた。初めて会う人とも喜び、友となり、ビジョンを語り合えた。これは私たちの『良さ』からくるのではない。福音の本質から来るのです」

 「イエス様が願ったことを私たちはすべてできているだろうか」とも問いかけた。「イエス様は、弟子たちにすべての国々の民をキリストの弟子としなさいと命令した。クリスチャンだけではなく、失われた魂、未信者に対しても。東アジアには多くの人がまだキリストを知らない。ぜひこの集会で味わった一致を共有したい。私たちを通して、キリストを目に見える形で見せることができる。私たちの言葉を通してキリストを分かち合うことができる。失われた魂にどんなに犠牲を払っても福音を伝えたい」と語った。

 さらに一致を保つための三つのステップを紹介。一つ目は「友情を意識的に培うこと」。「友情を培うのは意識的なプロセス。企画チームも毎週会議し、喜びと悲しみを分かち合ってきました」

 二つ目は、「必要に耳を傾けること」。互いの霊的な必要、宣教的な必要に傾聴し、寄り添うこと。

 三つ目は、「賜物を分かち合うこと」。「他者の霊的な必要、宣教的な必要のために、あなたの賜物、経験、知識を大胆に、犠牲的に、喜んで分かち合ってほしい。一致は最終的なゴールではない。神の国を進めることが大事だ。まだ福音を知らない人にどんなに犠牲を払っても伝えたい」と述べ、最後にピリピ2章1〜11節を引用した。

 ローザンヌ運動東アジア地区代表のデイビッド・ロー氏は最後の挨拶で「宣教の働きは戦略ではなく、どこから来るのかが重要」と強調。自身が理想を掲げて取り組んだ宣教の働きで挫折したことを通して神の力や福音の本質に気づいた経験を打ち開け、1コリント1章17〜20節を引用して祈った。