スリランカで連続爆破テロ 世界福音同盟 慰めの祈り要請【続報】

【続報】

「教会への脅威まだある」続けて祈りを スリランカ信教の自由関係者が訴え

スリランカで教会やホテルなどが爆破されたテロ事件による死者は23日までに320人以上、負傷者は約600人に上る(現地報道)。事件に関連して拘束された容疑者は23日までに40人となった。政府は国内のイスラム過激派のテロで国際的な組織と連携の可能性もあるとの見方を示していたが、23日「イスラム国(ISIS)」が系列の通信社を通じて犯行声明を発表した。

長年スリランカを拠点に世界福音同盟(WEA)などで国際的に信教の自由を守る活動をしてきたゴッドフレイ・ヨガラジャ氏は23日、WEA理事らへのメールで、自身の事務所の近くでも爆発物が見つかり、当局から立ち退くよう促されて避難したことを伝えた。

ヨガラジャ氏は「町には緊張が続いており、キリスト教会が襲われる恐れはなおある」として、祈りを続けるよう求めている。

国の再生へ努力続ける 「融和の親善大使」エイドリアン牧師

 スリランカの教会指導者のひとりでローザンヌ運動南アジア地区コーディネーターのエイドリアン・デ・ヴィッサ牧師は、2004年にスリランカ沿岸を襲った津波被災地に救援活動をしたことがきっかけで政府から「融和の親善大使」に委嘱された。沿岸の被災者たちは内陸のキリスト教徒の村をしばしば襲い焼き打ちする過激派仏教徒だったが、敵と思っていたクリスチャンたちが住宅や寺の清掃や再建など親身な支援をしたことで両者の和解が成立したのだ。

そのエイドリアンさんは、このたびの連続テロについて「2009年以来シンハラ対タミール問題は落ち着いてきていたのにとても悲しい」と述べた。

2004年の津波で多くの人が亡くなり荒れ果てたが、希望がなかったわけではないという。「私たちはこの国の再生のために祈り続けてきた。多くの人々がその祈りに加わり、朝ごとに多くの祈りがささげられ、問題を突破できると確信した」

事件の日の夜からエイドリアンさんは、こんな疑問と格闘してきた。これはこの国に神が介入されることの始まりだろうか、と。「神は主権をお持ちの方です。この悲劇的な出来事も、神が知らずに起きたわけではありません。私たちは主を信頼し、神がこの国で栄光をお受けになるまで努力を続けます」

イースター礼拝の行われていた4月21日朝8時45分ごろ、スリランカの最大都市コロンボなど3都市のキリスト教会やホテルなどで爆破事件が発生した。

現地からの報道によると死者290人以上、負傷者は約500人に及ぶもようだ(22日14時=日本時間=現在)。

現地警察当局はキリスト教徒や外国人を狙った自爆テロと見ている。世界福音同盟(WEA)は、イースターの日曜日に複数の教会などに対する連続爆破事件によって尊い人命が失われたことを最大級に強く非難する声明を、即日発表した。

 エフライム・テンデロWEA総主事は、「イースターの日曜日に教会で礼拝中の信者などが攻撃の標的にされたことに、深い悲しみと苦悩を覚える。私たちの主イエス・キリストがよみがえられたことを祝うこのとき、心ない暴力によって命が失われたことは悲嘆の極みだ。われわれは世界の教会に向かって、被害を受けた関係者らに神の大きな慰めと臨在があるようにという祈りに加わるよう訴える。願わくは、神が彼らの上に、理解を超えた復活の信仰と平和が守られますように」と呼びかけた。

 WEAはまた、メンバーであるスリランカ福音同盟との連帯を表した。

スリランカ福音同盟は、イースターに聖アントニー教会、聖セバスチャン教会、シオン教会と3軒の主要ホテルなどが爆破の標的にされたことに深い苦悩と悲嘆を表明。スリランカ福音同盟は同国の国民一般と、とりわけキリスト教会に対し、この危機の中で落ち着きを保ち、誤解を招くうわさを控えるよう呼びかけた。また政府および治安部隊に対し、速やかな犯人逮捕に全力を尽くすよう要請した。

 最後にスリランカ福音同盟は、全国および全世界の教会に、愛する人々を失い、また傷を負って嘆いている人々のために祈るよう要請した。

     ◇

 スリランカの教会指導者で長年にわたりWEA信教の自由委員会委員長を務めるなど世界の信教の自由の問題に取り組んできたゴッドフレイ・ヨガラジャ氏は、WEA理事らへのメールで、彼のスタッフのひとりの子どもが爆破の犠牲になったことを伝えた。狙われたホテルでは徹夜集会が明け、イースター朝食集会が行われていたという。

 同氏によると、この朝教会に集っていた人々は警察の指示により帰宅した。警察発表によると他のいくつかの教会でも爆発物が処理された。

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