長野で映画「パウロ 愛と赦しの物語」上映会 「自分の信仰が問われた」 超教派の協力で山梨県甲府市でも

映画「パウロ 愛と赦しの物語」が長野の教会を会場に、6月29、30日の2日間で4回公開され、160名を超える人たちが観賞した。
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今から38年前の1981年、8月1日から31日まで「北信濃ふるさと伝道」として、映画「塩狩峠」を北信一帯の村々で上映した。暑い中、全国から集まったボランティアと、一件一件家々を訪問し映画の誘いをし、夜には村の公民館で上映した。村の人が、自分の座る座布団を持って集まってきた光景が今でも忘れられない。その時に中心になってくれたのが、同盟基督・長野福音教会だった。当時の牧師だった故・正村富男氏の妻、八重子夫人は当時を振り返り、「よく1か月も映画伝道ができたなと思います」と感慨に浸っていた。

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今回も長野福音教会が中心となり、北信地区約23教会が協力してくれた。開催のための組織が作られたわけではなく、神が集めてくださったとしか考えられない。
1週間前に行った山梨県甲府市での映画会では日本基督教団愛宕町教会の全面的な協力を得て、こちらも23教会、150名を超える人々が集まった。どちらもそうだったが、カトリック、聖公会、日本基督教団、福音派、ペンテコステ派など本当に超教派の協力があることが、この「パウロ」映画伝道の特色だ。
「上映日が近づくと何十件という問い合わせがあり、皆さんの期待の大きさを感じました。今まであまりお付き合いのなかった教会からもご連絡をいただき、本当に良きお交わりができて感謝です」と、長野福音教会の現牧師、高橋宣広氏は語った。
映画のワンシーンで、公開処刑される前日に不安でいっぱいのキリスト者に、ルカが主の祈りをみなで祈るよう勧めるシーンがあるが、髙橋牧師は「あの状況のなかで、私は赦しましたと祈る真実さに感銘し、同時に私たちにはそれが本当にできているだろうかと問われます」と、感想を述べた。
多くの方々が自分の信仰を問われたようだ。

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「信仰の強さとか暴力に訴えないシーンに感動し、聖書がリアルに見えてきました」(H牧師・男性)、「昨年11月に公開されたときに、渋谷まで見に行きました。また新たにイエス様に従っていく決意をすることができました」(K氏 ・女性)、「命がけで信仰を守りぬいていく当時のキリスト者の姿勢にすごく励まされました。一つ宝物をもらった気がします」(N氏・女性)
長野福音教会で、ある夫妻に出会った。「プリスカとアキラ夫婦は、なんと尊い働きをしたのだろうかと思います」と感想をいただいたのだが、彼らは「北信濃ふるさと伝道」の頃に結婚され、ご自分が住んでいる地区で「塩狩峠」を上映した。そして今回、窓の多い教会堂を4時間半もかけて黒模造紙で暗くしてくれた。まさしくプリスカとアキラのような働きを陰でしてくださった夫妻だ。
なお、DVD「パウロ 愛と赦しの物語」も3か月で2千本を突破する勢いで、ソニー・ピクチャーズの関係者も驚くほどの速さである。またこのDVDは法人用ではなく上映はできないので、きちんと上映料を払いますという教会が増えていることも良い証しとなっている。(レポート・礒川道夫=いのちのことば社)