「異端カルト110番」開設に各界から期待 正しい情報を教会へ 「くびきをともにしてはいけない」

韓国や中国発の異端・カルトグループの活動が活発化するのにともない、その脅威への認識が広まる中、異端カルト問題専門の情報サイト「異端カルト110番」(張清益〔チャン・チョンイク〕代表、Shttps://cult110.info/)が開設され、10月3日に公開された。同日、「韓国キリスト教異端対策セミナー」が東京のお茶の水クリスチャンセンターを会場に行われ、その中で同サイトの「開設感謝礼拝」が持たれた。賛同団体、関係者ら100人以上が出席した。【髙橋昌彦】

「異端カルト110番」は、同じく張氏が代表を務める「日本キリスト教異端相談所」を母体として運営される。「相談所」は「韓国生まれの異端の被害に遭っている日本の青年たちを助けたい」との思いで、張氏が2010年に開設した。礼拝の中であいさつに立った張氏は、「お世話になった日本の教会に何かできないかと考えて、異端問題に取り組む決心をした。これはたやすいことではない。しかし、できるかどうかではなく、やらなければならないことだから、やってきた。これからも教会の方々から、励ましとご指導をいただきたい。今回の情報サイト開設にあたっては、神様がパートナーとして中橋祐貴兄弟を与えてくれた。これからも皆さんとともに、日本の教会が異端に打ち負かされないように、ともに異端勢力と闘っていきたい」と語った。
続いて同サイト編集長の中橋氏がサイトを紹介。中橋氏は、自らが「異端カルト」と言われる団体に関わった経験から、日本の教会にこれらの問題が知られていない現状を踏まえ、「ネット上では、異端カルト団体がフェイクニュースを流している。私も誹謗中傷されている。教会にこそ正しい情報が必要。しかし今までこれらの情報を集約した専門サイトはなかった。『異端カルト110番』は国内の団体だけでなく、韓国の異端相談所やメディアとも提携しているので、韓国の主要教団が問題となっている団体をどのように判断しているか、今どのような問題が起きているか、正しい情報をいち早く提供できる。今この時にも、異端、カルトで苦しんでいる人がいる。教団教派を越えて協力し、この問題に取り組んでいきたい」と述べた。
賛同団体の一つである日本福音同盟(JEA)総主事の岩上敬人氏が説教に立った。冒頭で、異端問題に対する正確な情報が教会には必要との認識を示し、「異端カルト110番」への協力を理事会全員一致で確認したことを述べ、すでに8月には、提供された異端団体の情報をJEA加盟団体に共有した事例を報告した。Ⅱコリント6章11節以降をテキストに次のように語った。「『不信者』とは、未信者のことではなく、かつてはパウロとともに福音をもっていたが、今はパウロを批判し、コリントで分派を作り、離れていった人のこと。まさに異端。そのような人とくびきをともにしてはいけない。福音の本質から離れている人たちといっしょに働くことはできない。それは7章1節の『聖さ』を保つということと深く関わっている。異なるものと明確に一線を引きながら、しかも愛と和解、癒やし、回復を伴って、共同体を強くし、広がっていく、そういう両側面を持っている。一線を画すべき人たちをどう判断していくか、そのために必要なのは正確な情報。異端カルトは教会のもっとも弱いところを攻撃してくる。人格も壊そうとする。『異端カルト110番』の働きが、日本の教会が聖なる民として一つとなるために大切な一端を担ってくれることに心から感謝し、その働きのために祈りたい」
礼拝の前後に行われたセミナーでは、崔三卿(チェ・サムギョン)氏(キリスト教メディア〈教会と信仰〉 常任理事)が「張在亨グループとクリスチャントゥデイ問題」、陳用植(チン・ヨンシク)氏(韓国基督教異端相談所協会会長)が「韓国におけるキリスト教異端の現状と対策」と題して講演した。