しかし、「ある人には信仰があるが、ほかの人には行いがあります」と言う人がいるでしょう。行いのないあなたの信仰を私に見せてください。私は行いによって、自分の信仰をあなたに見せてあげます(ヤコブの手紙2章18節)

 『社会に開かれた教会』を読み終えての感想は、それほど厚くない書籍でありながら、具だくさんのサンドウィッチを食べ終えた満足感でした。

 7章で構成されているこの本は、第1章と第7章は、大学で教鞭を執られている井上貴詞氏、西岡義行氏が、専門的、学術的に今という時代の教会についてまとめてくださっています。しかし、第2章から第6章は、具体的な教会の取り組みが紹介されていて、とても具体的です。読みながら、冒頭の聖書個所が思い出されました。まさにそれぞれの教会の信仰が、具体的に見せられています。

 次に挙げるキーワードに関心のある方は、ぜひ読んでいただけると、学ぶこと、考えさせられることがたくさんあると思います。第1章では「少子高齢化」「教会が教会となる営み」、第2章では「居場所」「選択縁」「自己実現型の教会からの脱却」「教会の祝福から教会が祝福の基となる」、第3章では「仕える教会」「教会と地域との信頼関係」「本当のなかま」、第4章では「宣教とはライフスタイル」「共に行き合い、共に暮らす」「全人格的宣教」、第5章では「在住外国人」「支援」「ホモジェニアス・ユニット」、第6章では「福音の具体化」「ディアコニア」「地域社会の福祉ニーズ」、第7章では「神の宣教、神の派遣」「伝道と社会的責任」「社会への貢献」など。

 ぜひ教会の読書会などで用いてください。一緒に読み、一緒に話し合い、一緒に教会について考える機会へと導いてくれる書籍です。

評・吉持日輪生=日本同盟基督教団茨木聖書教会牧師

『社会に開かれた教会 地域の福音となる新たな一歩』 西岡義行、井上貴詞、犬塚契、横山聖司、渡辺聡著、 いのちのことば社  1,540円税込、A5変型

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