ネットで情報や書籍も入手できる昨今。書店だからこそ、できることは何か。クリスマスシーズンのキリスト教書店を訪ねた。【高橋良知】

 東京・渋谷区の表参道。南青山へ向かう骨董通り沿いという感度の高いエリアで、聖書の香りを放っているのは「バイブルハウス南青山」だ。日本聖書協会直営店として、聖書を中心に、様々な書籍、グッズなどを販売している。副店長の小林由梨さんは「クリスチャンだけではなく、近隣や通りがかりの人が、ふらっと訪ね、クリスマスカードを手に取ったり、アドベントカレンダーに興味をもっていただいたりする。学校などで使ったのか、聖書や賛美歌を見て、『懐かしい』と話す若いカップルもいっらっしゃいました」

 店内北側壁の棚には各言語の聖書が配置され、南側壁一面にはバラエティあふれるクリスマスカードがずらっと並ぶ。カードやグッズなどで季節感を出しているという。「非常に好立地にあるが、リピートしてもらえるよう様々なフェアを考えている」と話す。

 たとえば日本キリスト教団出版局が発行した「和解の神学シリーズ」3巻に合わせたフェアを企画した。「『和解』ということで、イスラエル、パレスチナ関係の本にも広げ、一般書も並べた。日頃埋もれてしまう本も興味を持ってもらう機会になりました」

 クリスチャンではない人もよく通る。裾野は広い。この立地だからこそできることがある。用品にも力入れて、クリスチャンではない人にもアピールできるよう、まずは店内に入ってもらう工夫をしたい。開店して8年。まだまだクリスチャンにも知られていないことがある。立寄りやすい場所なのでぜひいらしてください」

 

 

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