「たいせつなきみストーリーブック」(マックス・ルケード著、松波史子訳、いのちのことば社・フォレストブックス、A5変)では、小人のウィミックとつくり主のエリ、ゆかいな仲間たちでおりなされる「たいせつなきみ」全6巻が一冊に。様々なキャラクターがかかえる比較や競争、劣等感。その葛藤をこえて、自分の評価を決める絶対の存在に気づいていくことを様々な角度から描く。

『ぼくは気の小さいサメ次郎といいます』(岩佐めぐみ作、高畠純絵、偕成社、千320円税込、22×16 cmは、見た目は怖いけど気が小さい、だから勘違いされる主人公。恐る恐る旅をして、いろんなキャラクターと出会いながら、周囲も変化していく。

 『おくりもの』(泉谷千賀子著、いのちのことば社、千320円税込、A5変)では、子羊はあることをきっかけに迷子になってしまった。さみしさとみじめさを感じながら、様々な動物に出会い、ぬくもりを感じさせる。物語に登場するのは、みな羊毛で制作された作品たち。写真がその質感もとらえる。

  『おいでよ、あゆみ野へゆたか先生の教会学校日記』(上)(下)(あんざいえみ著、いのちのことば社、 各千100円税込、B6判)は、教会学校を取り巻く物語。輪に入れない子、気の強い子、学校、家庭とのギャップなど折々のことに、読者の子どもたちだけでなく大人も思い当たることがあるだろう。

「聖書の教えにとどまる時、人ってどんなふうに生きられるのか」。そんな思いで描かれた『すてきな毎日−聖書の知恵の書「箴言」を生きる(長谷部愛美著、いのちのことば社、千430円税込、A5判)に登場する、書店員の森野さんは多くを語らない。人々の怒りや悩みを受け止め、時に誤解を受けながらも、静かに文字にされる箴言の一節が響いてくる。