インド過激派が教会迫害 礼拝、祈祷会を暴徒が襲撃、警官の押し入りも

 ヒンドゥー教徒が多数を占めるインドで、宗教的過激派によるクリスチャンへの迫害が続いている。インド福音同盟(EFI)は2月26日、「デリーの暴力に関するEFIの緊急声明」を発表。また、EFI宗教の自由委員会(RLC)は、2月24日、その週末の3日間で10件の襲撃が起きたと報告した。

 EFI書記長ビジャエシュ・ラル名で出された声明の概要

 ▽デリー地域のクリスチャンコミュニティーが、首都の騒乱に深くショックを受けている。

 ▽EFIは、これまでに23人の死をもたらしたこの悪辣な暴力を非難する。

 ▽歴史は、憎しみ、共同体間の対立が悲惨な結果をもたらすことを示している。

 ▽愛する人を失った家族のために祈る。

 ▽デリーの人々に平和を維持するよう、SNSを通じて広まる悪意ある暴力的な態度に屈しないよう、訴える。

 ▽EFIに所属する教会に、無力で取り乱している人々の助けになってくれるよう懇願する。これは、レントにおける、主への奉仕である。

 ▽私たちの祈りでデリーの人々を支持するよう、すべての教会に呼びかける。このレントの季節に、この国で平和と調和が広まり、暴力が止むことを祈ろう。

 ▽法の支配とデリーの脆弱(ぜいじゃく)な人々の安全を確保するよう当局に要請する。また、政党は、扇情的な発言をする党員を懲戒し、毅然とした態度を取るよう、主張する。

 RLCが報告した10件の事件の概要

 ▽2月20日、チャッティースガル州のティカンパル村で、クリスチャンの家族が殴打される。過激派からの改宗の圧力が襲撃の理由となった。財産も奪われている。殺害の脅迫も続いている。 ▽21日、ウッタル・プラデーシュ州(以下ウ州)のバヤラ村で、言葉での虐待と脅迫がなされ、礼拝中止を警告された。ジャガット・ナラヤン牧師は警察に助けを求めたが、警察からは棄教を迫られ、さもなければコミュニティーから追放されると警告された。

 ▽21日、タミルナードゥ州(以下タ州)のサザンクラム町で、7人の牧師が警察に拘留。暴行と口頭での虐待の後、釈放された。

 ▽22日、ウ州のネタウル市で、礼拝を行う罪でディネシュ牧師が逮捕。後に釈放された。

 ▽2月22日、テランガーナ州のムーラ・アリ郊外で、オースティン・ディナカー牧師と教会員が礼拝から帰宅したところ、過激派から暴行を受けた。

 ▽23日、ウ州のシブ・カトラ地方で、過激派が祈祷会を襲撃し、ルーベン牧師とプラバカール牧師を捕らえ、警察に連行した。

 ▽23日、ウ州のカリマディンプール村で、10人のクリスチャンが警察に拘留。それに先立ち、信徒が集まって祈っていた自宅に警察官が押し入った。

 ▽23日、ラージャスターン州のレッドワ・カラン村で、サイモン・ザカリア牧師とその妻と2人の息子が逮捕された。日曜日の祈祷会を約200人の村人が囲み、警察に通報した。

 ▽23日、タ州のエラクリチ村で、過激派による暴徒が教会に乱入し、礼拝が混乱した。彼らはアンブモハン牧師と教会のメンバーを殴打し、近くの警察署に連行した。警察は、必要な医療処置を施すことなく、終日彼らを拘留した。

 ▽23日、ウ州のモティプールで、警察が礼拝直後にハリナス牧師の家を襲撃した。牧師は不在だったので、牧師夫人が脅迫された。http://www.efionline.org/