神への畏怖の念が乗り越える力に 新型コロナ不安の中 寄稿 新潟青陵大学教授 碓井真史

 私たちはおびえています。病気を怖がるだけではなく、人間関係を恐れています。イタリアでは、本当に死の恐怖を感じている人も少なくないようです。しかし今(3月16日)現在、日本ではむしろ、新型コロナウイルスに感染して周囲の人たちに迷惑をかけ、自分が責められ恥をかくことを恐れているようにさえ思えます。ギスギスした世の中で、冷静さを失いそうになっている人々がいます。
韓国ではキリスト教系の異端グループが、感染を広げました。組織防衛のための隠蔽が、韓国内でも非難されています。さらに、ソウル近郊のプロテスタント教会では、感染予防に役立つとして行われた「塩水を口に噴射する行為」が、感染を広げてしまったと報道されています。
新型コロナウイルスは、まだ薬もありません。観光客がいなくなって閑散としたヨーロッパの観光地は、まるでSF映画の世界の終わりの日のような風景です。医学の進んだ21世紀の先進国で、こんなことが現実に起きるなんて、多くの人は想像もしていませんでした。
100年前に、タイタニック号は沈まないと思っていた人々を、私たちは科学技術の過信と、偉そうに、、、

3月29日号掲載記事