写真上=ライブストリーミング中

 今、アメリカでは急激に感染が広がっている。その状況について、米ケンタッキー州ルイビル在住で、カンバーランド長老教会から派遣されたルイビル日本語教会牧師の佐藤岩雄さんに話を聞いた。

 ルイビルはケンタッキー州西部の都市、インディアナ州との州境にある。「インディアナ州では待機命令が出ている。アメリカの教会はどの地域も閉まっているところがほとんど。私たちはオンライン会議ツールZOOM(以下ズーム)によるライブストリーミング礼拝が続いています」
 「ルイビルは公共交通はあるが、ほとんどが車社会。感染源として警戒されているのが教会」と言う。「国は宗教的集まりはいいと言っているが、『人数を限定して、距離を保ちなさい』というガイドラインが出ている。私たちはそれに従がっています」
 3月の日曜礼拝からライブストリーミングを開始。2週目にルイビル日本語教会とシンシナティ日本語教会と合同で行った。その時に41組がログイン。アカウントの数字は「3735508080(皆さん心晴れ晴れ)」で、「オハイオ、ケンタッキー、インディアナ、テネシー各州、日本からも家族、個人でログインし、100人以上が参加した。フェイスブックのアカウントを持っていない方や、不安な気持ちで自宅で過ごしておられた方、ライブストリーミングだから参加してくれた求道者の方もいたりした。アメリカは広いので、普段、なかなか集まれないが、こういう機会に一緒にネット上で集まり、顔と顔を合わせて分かち合いを持つことができた。つらい面はあるが、普段届かない人に福音を届けることができたり、思わぬ出会いがあったりなど、暗い中にも隠された恵みを経験させていただきました」
 「3年前から今週はテネシー、次週はインディアナと出かけていた。そして月1回、全員オープンにしたズームミーティングを行っていた。それが、今回生かされた」とも言う。「ズームに切り替えて良かったのは、礼拝後も参加者にお声かけができること。アメリカでは特に、日本語を話したくて礼拝に出席し、交わりをしたいという方が多く、オンラインでは十分にしきれなかった。でも、ズームならできるのです」
 水曜日の祈祷会もズームに切り替えた。「カジュアルな雰囲気でそれぞれの近況を聞き、祈り合っている」という。「アメリカ政府のガイドラインとして『信仰共同体の宗教的指導者へ』という公文書を発行しており、不安にかられる人々に対しての宗教者の価値ある役割を認めている。私たちも、教会が果たすべき役割をしっかりといけるのです」
 「感染者がいちばん多いニューヨーク州では医療崩壊状態で、高齢者がどんどん亡くなり、遺体安置所も作られている。大都市のように病院施設がない、中西部、南部の地方にこういう状況が広がる時に、どうなるのかという不安がある」と佐藤さん。「ぜひ、医療関係者のために祈ってほしい。また、日本人と韓国人の夫婦がいるが、日本に帰国命令が出た時に、韓国人のほうの伴侶がビザがおりず、離れ離れにならざるをえないというケースもある。そうならないように」と祈りを要請した。

写真=ライブストリーミングに参加した人たち