【アーティスト特集】活動全面ストップ 音楽祭開催危ぶむ 「音楽宣教再開できるように」 ユーオーディア 柳瀬 洋さん

日本のクリスチャン音楽家たちによる賛美と音楽宣教のミニストリー「ユーオーディア」(柳瀬洋代表)。現在、全国約400人ものメンバーを擁し、各地でクラシック音楽を中心に質の高い演奏を通してキリストを伝えている。ユーオーディアのメンバーたちは今年10月2日に、大阪のコンサートホールでのユーオーディア管弦楽団・合唱団による音楽祭「ユーオーディア賛美の夕べ」開催に向け、準備を進めてきた。だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で今、全く活動ができない状況で、今秋の音楽祭の開催も危ぶまれている。代表の柳瀬さんに話を聞いた。
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「コンサートは、3月から8月まではすべてキャンセルになった。秋からも予定が立たない。音楽祭はキャンセルにはなっていないが、開催できるかどうか全く分からない状況です」。柳瀬さんは開口一番、今の厳しい状況を吐露する。
「アーティストはみな大変。収入に関しては個人差があるが、特にフリーランスで活動している若い人たちは音楽家としての活動が全面ストップしているので厳しい。私たちが立ち上げた学校『ユーオーディア・アカデミー』には、音楽伝道や賛美奉仕を目指す人たちが東北や関西などの遠隔地からも通ってきていたが、そういう人たちが通えなくなっている。学びと訓練を終え、活動を始めたばかりの卒業生たちも奉仕の場がなくなってしまった。ユーオーディアとして何とか支援したいが、なかなか難しい」
「支援者も大変な状況にある」と言う。「ユーオーディアの活動は国内からの献金によって支えられているが、タイや台湾のクリスチャン実業家の方々も支えてくださっている。だが、その方々の仕事にもコロナの影響が出ており、そこからの献金が途絶えてしまっている。特に15年続いているユーオーディア世界音楽宣教ツアーを主催してくださっているタイのクリスチャン実業家の方は、リーマンショックやタイ大水害の時も継続して支援してくださったが、今回は『それら以上のショック』とのことで、支援をお願いできない状況だ」
メンバーたちはZoomやLINEなど、オンラインを通じてメンバー同士で演奏したり励まし合っていると語る。「今回のことで、インターネットに目覚めたメンバーもいる。これまで2か月に1回、ニュースレターをメンバーに送って情報共有していたが、海外や地方にいる人とはそれだけのつながりでしかなかった。ところが、ZoomやLINEを使うと今まで会えなかった人と、顔を見ながら話せる。それは大きな発見だと思う。でも、早く集まって一緒に賛美したい! と、みなうずうずしています」
10月の音楽祭開催の是非は、5月いっぱいに判断する。開催しない場合は、予約金は全額戻ってこない。無理に強行すれば、感染リスクも出てくる。「進むも撤退するも、どちらも大変。大きな決断に迫られている」と柳瀬さん。「やはり音楽はお客が聴いてくださらないと成り立たない。良い決断ができるように、閉ざされている音楽宣教が一日も早く再開できるように」と祈りを要請した。