CT疑惑払拭できない

ウェスレアン・ホーリネス教団 「教団委員会の見解」可決

ウェスレアン・ホーリネス教団(川崎豊委員長)は7月3日、臨時総会をオンラインで開き、「クリスチャントゥデイに関するウェスレアン・ホーリネス教団委員会の見解」を賛成多数で承認した。同見解は、クリスチャントゥデイ社に認められる疑惑を払拭することができなかったとする内容。

「キリスト教ニュースサイト」と称するクリスチャントゥデイ(CT)と関連団体には、創立者で元統一協会幹部の張在亨(ジャン・ジェヒョン)氏に対し組織内部で自らを「来臨のキリスト」と信じさせているなどの疑惑が十年以上前から追及されてきた。だがウェスレアン・ホーリネス教団で要職を務めてきた峯野龍弘氏(淀橋教会主管牧師)が2011年、株式会社クリスチャントゥデイ代表取締役会長に就任。CTの社長、編集長、記者ら張在亨氏関連組織の複数メンバーを淀橋教会に会員として受け入れた。

CT社疑惑が報告された昨年3月の同教団年会で、真偽を明らかにするための特別調査委員会の設置を決めた。

調査委「再臨主」教義の疑念「払拭できない」

CT特別調査委員会(山田証一委員長)は1年余にわたりCT関係者や元メンバーの証言、CTをめぐる裁判など関係資料を調査した結果を報告。同教団委員会は「クリスチャントゥデイ特別調査委員会の報告を受けた結果、教団委員会はクリスチャントゥデイ社に認められる疑惑を払拭することができなかった。よって教団はクリスチャントゥデイ社及び張在亨氏関連団体とは距離を置き、今後もその動向を注視していく。教団委員会は教団諸教会に対し、この主旨を理解し適切に対応することを希望する」との見解を臨時総会にはかった。

CT特別調査委員会最終報告は、▽CT社と深いかかわりのある張在亨氏の関連団体においては、張在亨氏を再臨主とする教義が組織的に教えられていたという疑念を払拭できない、▽CT他事業体においては、「張関連団体」の信者に労務を提供させる他、経費を負担させる実態がうかがわれる、▽CT社の財務状況は健全とは言えない実態がうかがわれる、などと認定。「ゆえに当教団は、CT社と一定の距離を置きつつ、その言動を注意深く見守ることが求められる」とした。

峯野氏は2019年11月30日付でCT社の代表取締役会長を退任したが、「異端疑惑」を公式に認めていない。淀橋教会は張在亨氏から託されたメンバーを今も受け入れている。(峯野氏の見解は異端・カルト110番を参照https://cult110.info/news/ct-yodobashi-mineno-tainin-htm/

淀橋教会は日本におけるホーリネス運動の中で源流である新宿淀橋町柏木の聖書学院に端を発する歴史ある中核的教会。淀橋教会は長年、日本ケズィックコンベンションなど超教派の集会の会場としても利用されており、今回のウェスレアン・ホーリネス教団委員会の見解を受けて峯野氏と淀橋教会の動静が注目される。