【視覚障がい者特集】「触るな、密になるな」と言われても… 視覚障がい者の西山さん、木村さん

新型コロナウイルスが日本全国、特に首都圏で感染拡大する中、目の不自由な人たちはどんな生活を送っているのか。7月16日、東京・新宿区西早稲田の日本盲人キリスト教伝道協議会事務所で、視覚障がい者の西山春子さん(日基教団・新泉教会員)、木村多恵子さん(日基教団・下谷教会員)にインタビュー。手で触らなければ情報を得られず、介助者を必要とする視覚障がい者が置かれた状況の厳しさが浮き彫りになった。【中田 朗】
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「視覚障がい者の生活のほとんどすべては触ることで成り立っていると言っても言い過ぎではない。なのに『できるだけ触るな』と言われる。視覚障がい者の日常生活とコロナ禍での生活は、真っ向から対立することばかり…」。西山さんは、開口一番そう語る。
マスクも「皮膚感覚を総動員して歩いているので、一人歩きする時に非常に困る。本当に日常生活の根本から相対立する」と嘆く。
木村さんは「ソーシャルディスタンスと言われても、視覚障がい者の私たちはどう距離を取ったらいいかわからない」と言う。「どこかに集まったりした時、普通の人は自然に距離を開けることができる。しかし、私たちたちには見えないので分からない。同行していただくにも、2mのソーシャルディスタンスは取れない」

左から西山さん、木村さん

「密接がいけないといわれても困る」と、西山さんは言い切る。「視覚障がい者は誰かの支えがないと生きていけない。密接は必要不可欠なこと。それに理解を示してくださる方でないと、ガイドをお願いできない」
「助けを必要としている時に声をかけられない」と、困惑も。「私の所属する視覚障がい者支援のための団体は、同行支援事業も運営し、、、、、、、、

2020年8月2日号掲載記事