コロナ禍で礼拝中止はしなくても、「縮小」「遠隔」で対処した教会も多いはず。『新装増補版 今、礼拝を考える ドラマ・リタジー・共同体』(越川弘英著、キリスト新聞社、千980円税込、四六判)は、礼拝の価値や可能性をじっくりと見直せる。人間、生活、教会、自由という視点から礼拝の広がりや深みに目を開かせ、礼拝式の各要素ごとに考察。牧師や一部の人の専権事項としてではない、「神の民のわざ」としての礼拝を再認識させる。増補された「3・11後の礼拝」では「礼拝には破局に立ち向かう力がある」と語る。


教会にも広がる、がん患者その家族の対話の場「がん哲学外来カフェ」。『教会でも、がん哲学外来カフェを始めよう』(樋野興夫編著、日本キリスト教団出版局、千650円税込、四六判)は教会で開くことのメリット、教会で開く時に留意することなどが記されている。メリットは、教会では場所を確保でき、また教会という建物に安心感があること。留意すべき点は、カフェは伝道や宣教の場ではなく悩める患者のための場所であることだ。各教会での実践例や患者の生の声も豊富で興味深い。「うちでも始めたい」という教会には必読の一冊だ。


脱宗教化、多様化した世界で固有の宗教は何を語れるか。『世界社会の宗教的コミュニケーション:共鳴の醸成』(土方透編著、G・ヴェグナー、J・ヴァイス、N・ルーマン、清水正之共著、聖学院大学出版会、3千520円、四六判)はルター、ウェーバー、さらに現代の社会学者ルーマンを軸に、日本思想との向き合い方も含め考察。宗教が機能喪失したかに見える現代社会は、経済、政治、科学が疑似宗教化し、人間を飼いならす。それらの虚偽を「脱呪術化」するのが宗教の想像力であり、多様性の中でも、確固とした立場で語る必要性をキリスト教の視点で論じる。

[レビュー1]葛藤や痛みも複眼的・客観的に語る教会形成史 『カンバーランド長老キリスト教会 高座教会七〇年史』評・濱野道雄2020年7月25日

[レビュー2]成功でなく「成熟した信仰」のための組織神学 『キリスト教神学とは何か』評・中村敏=新潟聖書学院前院長2020年7月26日

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