首都圏を中心に日本全国に新型コロナウイルスが感染拡大する中、神奈川県横浜市栄区にあるTPKF・栄シャローム福音教会の小山英児牧師が7月、新型コロナウイルスに感染した。17日に体調を崩し、近くのクリニックでPCR検査を受けたところ陽性が判明。そのまま中等症の病院に入院したが、症状が悪化したため重症者向けの救急病院に搬送され、ICU(集中治療室)で治療を受けた。両肺が真っ白で、酸素吸入器がなければ呼吸が困難なほど重篤な時もあったが、治療により徐々に回復。入院から20日後の8月4日に退院した。闘病中の様子、体験について、小山氏に話を聞いた。

〇なぜ、感染してしまったのでしょうか。思いつく感染経路は?
不明です。マスク、手洗い、アルコール除菌に気をつけ、三密を避け、交通機関を避け、東京に行かないよう気をつけていました。

〇7月17日金曜日に具合が悪くなったと聞きました。
その日、近所のクリニックに行き、レントゲンが撮られ、救急車が呼ばれ、そのまま中等症向けの病院に救急搬送され、入院しました。しかし、酸素濃度が急激に悪化し、このままでは危険ということで、重症者向けの救急病院に緊急搬送され入院。そのまま救急科のICUに入れられました。

〇晶子夫人をはじめ、多くの方々が回復のためにお祈りしてくれた、それが支えになったと聞いています。病床ではどんな思いで過ごしておられたのでしょうか?
医療従事者の方はよくやってくれています。しかし、この感染症は未知の病であり、治療法も確立していないことがよく分かりました。意識は朦朧としていたものの、いのちの危険がある状態であることは分かりました。
そんな中、妻がフェイスブックに投稿した祈りの要請に、多くの人が反応してくださっているのを見ました。個人的にメールをくださったり自分のために祈りの要請をアップしてくださったりしているのも見ました。
とりなしの祈りは、波のように自分を包み、「大丈夫だ」という、平安へと変わっていきました。「祈ってます」のひと言でこんなに元気をもらえることを、孤独なICUのベッド上で体験しました。癒しの宣言の祈りも、信仰が引き上げられました。寝ている時、あたかも聖霊が肺を再創造しているかのような、神秘的な体験もしました。

YouTubeのネット礼拝で語る小山牧師

〇この体験を通し、どんなことを教えられましたか。支えとなった御言葉はありますか?
感染者を一人治療するため、医療機関がどれだけ大変かを垣間見させていただきました。感染の危険と隣り合わせで献身的に仕えておられる医療関係者に感謝すると同時に、医療機関のためにとりなしの祈りが大事だと思いました。
妻は私が入院する前、これらのことを予見するがのごとく「恐れるな。わたしはあなたとともにいる。たじろぐな。わたしがあなたの神だから。わたしはあなたを強くし、あなたを助け、わたしの義の右の手で、あなたを守る」(イザヤ41・10)の御言葉が与えられたと言い、差し入れてくれたティッシュ箱すべてにこの御言葉を書いてくれました。苦しくてたまらない時、何度もこの御言葉に支えられました。
個人的にはICUで聖書を読む中で、「見なさい。耐え忍んだ人たちは幸いだと私たちは思います。あなたがたはヨブの忍耐のことを聞き、主によるその結末を知っています。主は慈愛に富み、あわれみに満ちておられます」(ヤコブ5・11)が与えられ、「この試練を耐え忍べば、ヨブの祝福がある」と信じました。ユージーン・ピーターソンのメッセージ訳では、その理由をこんな風に訳しています。「それは、神があなたを気にかけておられるから。細部に至るまで気にかけておられるから。(That’s because God cares, cares right down to the last detail.)」。こんな私でさえも気にかけておられる真実な神、主の御名を賛美します!

〇小山牧師の体験は他人事ではないと思います。コロナ禍にある教会の牧師、信徒の皆様に伝えたいことがあれば。
私たちの教会は、対策を取っていたこともあり、今回、クラスターは起こしませんでしたが、教会に住む私たち牧師家庭が陽性となったため、教会堂を封鎖せざるを得なくなりました。教会役員をはじめ、多くの方々の協力で、オンラインで礼拝を守れることに感謝しています。どんなに対策し、注意して生活していても、この新型コロナに関しては罹患の可能性があります。しかし互いに祈り合い、キリストの愛を実践することで、この世界はキリストを知ることができるのではないでしょうか。
隔離はつらいことの一つですが、その孤独な病床の上で、祈りの力を感じました。イエス様との良き交わりの時、祈りに支えられることを体験する時となりました。
妻はこの一連の出来事の前に、こんな体験をしたことを話してくれました。感染者が再び増え始め、教会活動をまた自粛しなければならないのだろうかと不安を感じ、神様に「いつまで続くのでしょう」と、祈祷会の最中に問いかけました。すると、神様は打ち消すことができないほど明確に、「人がわたしに降参するまで」と、答えてくださったそうです。
私は新型コロナウイルスと戦うことではなく、神様を認め、神様に降参してほしいということを皆様にお伝えしたい。神様は私たちを気にかけておられるので、必ずヨブの祝福があることを確信しています。