関東大震災第97周年記念 追悼合同早天礼拝 「痛みに共感性を」金柄鎬氏

追悼合同早天礼拝で。「人の痛みに鈍感でなく、共感力を」と語りかける金氏

関東大震災から97年目の9月1日、流言によって数々の「朝鮮人虐殺」が引き起こされた悲劇を心に刻み追悼しようと、今年も「関東大震災 第97周年記念 追悼合同早天礼拝」が東京YMCA、東京聖都市化運動本部、在日本韓国YMCA合同で開催。在日大韓基督教会(KCCJ)総幹事の金柄鎬氏がルカの福音書7章31、32節から「笛を吹き、葬儀の歌をうたっても」と題して説教した。
金氏は「共感することの大切さ」について語る。「共感は英語でシンパシー、苦しみを共にするという意味。隣人を愛することは、隣人の苦しみを理解すること。私も1986年に日本に来て初めて、太平洋戦争で苦しんだ日本人が多くいることを知った」
その上で、「イエス様は『笛を吹いたのに踊らなかった。弔い(葬儀)の歌を歌ってあげたのに、泣かなかった』という、人の痛みに鈍感で無関心な者でなく、今こそ共感力を探し求め、育て、受け継がなければならないと語っている。抑圧された人々の話をたくさん聞くこと、聞かせることが大事なことだと思う」と強調。「今日も1923年9月1日前後のことを考えながら、そのことで痛んでいる人たちと共に共感を持ち、祈るということを後の世代に引き継いでいきたい」と語った。

金柄鎬氏