キリスト教会のプラットホームを目指して、太平洋放送協会(PBA、矢木良雄理事長)が新しいインターネットサイト「聖書チャンネル BRIDGE」(Shttps://www.seishobridge.com)を立ち上げた。「一人でも多くの方に福音が届けられるために」の呼びかけに応え、協力する宣教団体は、いのちのことば社、ワンホープジャパン、デイリーブレッド、はこぶね便、お茶の水クリスチャン・センター、RCJメディア・ミニストリー。各団体が所有するコンテンツ、ノウハウを提供し、構築されたサイトは、人を教会へとつなぐ架け橋として、また宣教協力を進めるための「BRIDGE」として、期待される。【髙橋昌彦】

聖書チャンネル BRIDGE

10月1日午前0時に公開されたサイトには、聖書やキリスト教をわかりやすく伝えるための動画や音声コンテンツが、画面一面に並べられている。「おすすめコンテンツ」「新着コンテンツ」「聖書の学び」「キッズ」「音楽」「毎日のみことば」その他に収められているコンテンツの数は現在約900。PBAが今まで放送した「ライフライン」「世の光」のほか、「デイリーブレッド」(手話版)、「子ども聖書クラスオンライン」「LUMO」などが、どこでも、時間に制約されず、自由に視聴することができる。
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PBAは放送伝道の草分けとして、70年にわたって、全国でラジオ・テレビの伝道番組を提供してきた。そのPBAが運営する新しいサイトの特徴を、事務局長の森田光泉(みつもと)氏は七つ挙げる。様々な場所から提供されるキリスト教コンテンツ、シンプルでわかりやすいデザイン、一般のサイトのように視聴中に不要なCMは流れない、聖書箇所やフリーワードからの検索、過去に放送された番組の視聴可、地域教会との連携、登録不要・完全無料。
「PBAが所有するコンテンツだけではありません。すでに協力していただいている団体からは新しいコンテンツがさらに提供されますし、今以上に多くの団体から協力していただけるよう、呼びかけていきます。宣教団体に限らず、教会や教会の承諾が得られれば個人の方からも提供していただけると思います。もちろん一般的なガイドラインを設けますし、信仰的には日本福音同盟の信仰基準に準拠します。その上で、いわゆる福音派に限定せず、幅広くキリスト教会全体に参加を呼びかけていきます」
「世の中の情報自体が爆発的に増え、それを入手する手段も多様化しました。かつて電波を使えば届けられた福音が、それだけでは届かない人たちが増加しました。人々は多忙で個人の嗜好(しこう)は多様化し、決められた時間に限定された場所で提供される番組では見る人は限られます。でもテレビやラジオの番組がなくなるわけではありません。時間に制約されず、ライフスタイルに合わせて、そのコンテンツを必要とする人がいつでもアクセスできる状況を作ることが必要ですし、そのことは、既存の放送をこれからも続けていくためにも必要なことです」
サイト内のコンテンツ一つひとつに「お問い合わせ」ボタンが付いている。「視聴者からのレスポンスは大事です。今までもPBAのホームページからコンテンツにアクセスすることはできたが、そこを訪れた人の受け皿がなかった。そこをこのサイトが補完して、教会紹介や聖書通信講座などで地域教会につなげていく。窓口としてはPBAが一度受け付けるが、全国にフォローアップしてくださる協力会の先生方がにつなげていく。そこにこだわっています」
「このサイトの構想は、2018年9月に行われた、全国放送伝道会議で発表されたものです。PBAの創始者である羽鳥明先生は『電波に福音を載せさえすれば、みんなが信じて救われるとは思っていない』という言葉を残されました。PBAの働きは、視聴者が教会につながるためのものですが、それはPBAだけではなく、すべての福音宣教に携わる団体によって行われています。その持てる資源を協力して、集約していくならば、より多くの人に福音が届けられ、教会につながる人が起こされるはずです」
「このサイトは、宣教協力のためのプラットホームでもあると考えています。〝BRIDGE〟にはそういう意味も込められています。大風呂敷を広げるつもりはないですし、むしろ小さなスタートです。この場所がより広く利用されて、キリスト教会のサイトとして豊かにされていくことを願っています」(10月18日号で特集記事を掲載予定)